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インプラント治療について高津光雄先生にインタビュー

みつおデンタルクリニックの高津光雄先生にインプラント治療についてインタビュー。先生から見たインプラント治療の考え方や歯がない状態を放置するとどうなるのか、保証期間を過ぎたインプラントに不具合が出た場合にはどうすべきかなど色々質問してみました。

知っておきたいインプラントの基礎知識

knowledge

今回協力してくれたのはこの先生歯の画像

みつおデンタルクリニック 高津光雄先生

高津光雄先生の写真

みつおデンタルクリニックの院長である高津光雄先生にインプラント治療についてお伺いしました。抜けた歯をそのままにしたらどうなるのか、先生視点でインプラント治療をどうとらえているのかなど気になる点を聞いてみました。インプラント治療を検討されている方は参考にしてみてください。

高津光雄先生について

先生の経歴を教えてください。

福岡県立九州歯科大学歯学部を卒業後、兵庫県、千葉県、東京都の歯科医院にてインプラント治療や歯の保存治療などの経験を積みました。 その後2021年9月に生まれ育った大好きな大阪でみつおデンタルクリニックを開院しました。

歯科医師になってからも、様々なことを学んでまいりました。 その中で、歯科はとても治療のやり直しが多いことに気づきました。 「丁寧な治療が歯の寿命をのばし、体の健康につながる。」 その信念を胸に、兵庫では医療人として必要な姿勢をはじめ、虫歯・歯周病治療や入れ歯からインプラントまで幅広く学びました。

関東では、顕微鏡を用いて歯を残すための治療を学んで参りました。 東京での開業も考えたのですが、生まれ育った大阪への思いが忘れられず、大阪での開業を決意致しました。 一人一人患者様からお話を伺い、丁寧な診査、治療を行うよう心がけております。

高津光雄先生の写真

インプラント治療の保証期間について

保証期間が切れた後の方がインプラント周りの不具合が出そうですが、実際どうなのでしょうか?もし不具合が出た場合はどうすれば良いのでしょうか?

保証期間が切れた場合は、実際に不具合が出ると思います。一般的にインプラントの保証期間は5〜10年で、一生ものではありません。24時間365日、食事やお口の細菌などの負担がかかり続けるため、いつか何らかの不具合は出ると思います。もし治療後すぐに不具合が出る場合は、治療した歯科医院に問題があることが多く、それは保証しなくてはいけません。しかし、何年もたてば、歯科医のインプラント治療の技術が良かったかどうかの他に、患者様が毎日の歯みがきを頑張っているかどうかや、歯科医院に定期的にメインテナンスに通っているかどうかなどの要素が大きく関わってきます。そのため、歯科医院では保証しきれない部分が出てきてしまい、期間がそれぞれ定められています。 不具合が出ればまず、インプラント治療を行った歯科医院に連絡して診察を受けてください。

他の医院に行ってしまうと、インプラントのメーカーが異なり特定できない事があります。また特定できたとしても、訪れた歯科医院が使用しているインプラントを取り扱っていないと対応ができないことが多いです。 不具合に対する治療費は保証期間を過ぎていれば基本的にはかかりますので、歯科医院と相談するようにしてください。インプラント治療を受ける前にも、もしもの時の対応はしっかりと確認しておけばより良いと思います。

歯が抜けた後にそのままにした場合

若い方で奥歯が無くなり、入れ歯もインプラントも抵抗がある場合に、なにか良い方法などはありますか?

無くなった奥歯の両隣に歯があれば、ブリッジができます。ブリッジとは両隣の歯を削り、歯型をとって、ひと塊のつながったかぶせ物を入れる治療です。橋渡しをしている仕組みなので、ブリッジと呼ばれています。両隣ではなく片方にしか歯がなくてもブリッジはできますが(延長ブリッジと呼ばれます)、歯にかかる負担が大きい為歯が壊れやすいため、推奨はしていません。

ブリッジの良い所は、治療の回数が少なく期間が短いこと。セメントで固定するので入れ歯のように付け外す必要がなく、異物感が少ないこと。食べ物をしっかりかめることなどです。また、保険治療を受けられることもブリッジも大きなメリットです。 デメリットとしては、隣の歯を削らないといけないことです。隣の歯が虫歯など何も問題のない健康な歯でも、ブリッジを行うには削らないといけません。一度削った歯はもう元には戻りませんし、歯の寿命が縮まってしまいます。歯を大きく削ることに抵抗があれば、入れ歯やインプラントを考えたほうが良いでしょう。

歯がなくなってからそのままにしておいた場合、どのようなデメリットが発生するのでしょうか?

歯が抜けたところを何もせずそのままにした場合、その周りの歯が抜けたところに動くようになります。そうなると咬み合わせが悪くなり、食べ物を奥歯でしっかりと咬めなくなってしまいます。また、前歯が前に出る状態になり、いわゆる出っ歯になってしまうこともあります。

さらに、口を開けた時に顎が痛んだり、口が開けにくくなったりする顎関節症を起こすこともあります。他には、汚れが歯に残りやすく掃除がしにくいため、虫歯や歯周病になりやすくなります。 以上のように、歯が抜けたところを何もせずに放置することには、様々な危険性があります。そのため、歯が抜けてなくなってしまったところは、できる限り補ってあげることをすすめています。

高津光雄先生の写真

先生視点のインプラント治療

先生から見て、歯科医側がインプラント治療をするメリットやデメリット・リスクはどんな点ですか?

やはり、他の残っている歯が長持ちすることにより患者様のお口の管理がしやすいことです。インプラントがかみ合わせの力を負担してくれることによって、かみ合わせが安定しやすく、残っている歯の負担を減らしてくれます。ブリッジのように隣の歯を削らなくて良いですし、入れ歯のように隣の歯に金具をかけて負担をかけることもありません。

インプラントをすることで他の残っている歯の寿命が延び、歯や歯の神経を抜く可能性を低くできます。また、繰り返しの治療をさけることができ、患者様のお口の管理がしやすいのは歯科医にとって大きなメリットです。

一方で歯科医のリスク・デメリットは、技術的な面とインフォームドコンセントだと思います。 インプラント手術で顎の骨を削るドリルが下あごの神経に触れてしまうことにより、神経が損傷したり圧迫されたりして神経麻痺(感覚麻痺)が起こる可能性が出てきます。そのようなことが起こらないように、CT画像で神経の位置を確認し、把握する必要があります。

また、インプラント手術で顎の骨を削るドリルが血管を損傷したとき、大量出血する可能性があります。過去には、気道が圧迫されることで死亡事故が起きた事例もあります。このようなことが起こらないよう、CT画像で血管の位置を慎重に確認・把握し、血管損傷が起こらないように精査する必要があります。 万が一インプラントが固定されるための十分な骨の量が不足する場合は、骨を作る処置が必要となります。

骨を作る処置の難易度が高い場合は、かみ合わせの力によってインプラントが骨と結合せずに抜け落ちてしまうことがありますし、細菌への感染のリスクが生じてしまいます。 このように、インプラント治療には高い技術力が必要になります。

患者様の協力も、インプラント治療の成功には必要不可欠です。治療に関してのリスク等の説明をしっかりと行い、しっかりとご了承を得た上で行わないといけません。それらをきちんと行わずにインプラント治療を行い問題が起きてしまうと、説明不足により患者様に不信感が生まれ最悪の場合は訴訟になりかねません。

先生から見て、歯科医側にとってインプラント治療は高い治療法なのでしょうか、それとも妥当な金額設定なのでしょうか?

妥当な金額設定だと思います。インプラントは毎日使うもので、毎日の食事の負担がインプラントにかかり続けます。歯は必ずしも一生ものという訳ではなく、不具合が生じる可能性もあります。インプラントにかかる費用を、それらに対応することも含めた金額とお考えいただければと思います。

インプラント治療が上手くいけば、不安なく毎日のお食事を楽しめます。例えば1本の金額が50万でも、10年持つとすれば日割り計算したとき1日140円くらいです。患者様それぞれで価値観は違いますが、歯科医側からすれば妥当な金額設定であると思います。

先生から見て、前歯と奥歯ではどちらの方が治療の難易度が高いのでしょうか?

前歯です。奥歯のインプラントはしっかりと安定して咬めればよいことがほとんどですが、前歯の場合は、しっかりと咬めることに加えてきれいな見た目(審美的)でないといけません。

これはインプラントを入れる場所や骨の厚み、歯ぐきの厚みのすべてが大きく関わります。骨が無い所にインプラントを入れたり、骨を作る処置が上手くいかなければ、歯ぐきが大きくやせてインプラントの金属の部分が見えたりしてしまいます。

例え骨と結合していて咬めることに問題はなかったとしても、見た目が悪ければそのインプラント治療は失敗ということになります。その点奥歯は見えにくいため、前歯ほど見た目は重視されません。よって、前歯の方が難易度は高いと考えています。

高津光雄先生の写真

クリニックによってインプラント治療の金額は異なりますが、どの部分が一番金額に影響するのでしょうか?

最終的に入るかぶせ物が、一番金額に影響すると思います。技工所に出す場合であれば、技工料金(原価)が5〜10万円ほどかかることもあります。よってかぶせ物は、インプラント治療の金額に大きく影響すると考えます。

インプラント治療の名医とは

先生が考えるインプラントの名医の条件は何ですか?

どんなに難しい状況でも確実にインプラント治療を成功させる先生は名医だと思いますが、そのインプラントが長持ちしなければ意味がありません。

治療したインプラントは一生ものではなく、不具合は必ず生じます。それらを予測した対応(予防的処置)と、不具合が起きた時の対応(インプラントのやり直しも含めて)ができてこそ、患者様のお口全体の健康を守り続けることができる名医の条件だと考えます。

先生から見てインプラント治療の実力がある先生と実力のない先生だと、結果にどんな差が出るものですか?インプラントの寿命などに影響はあるのですか?

難易度が高いインプラント治療であれば、インプラントの寿命に影響は出ます。骨を作る処置やインプラントを入れる場所、かみ合わせの調整、その後のメインテナンスなどは先生の経験や実力で大きく差が出ます。

また、前歯のインプラント治療は、ただ咬めるだけでなく見た目のきれいさ(審美性)が要求されます。このあたりは特に経験・実力が問われるところだと考えます。 難易度の低いインプラント治療であれば、現在はコンピュータガイデッドサージェリー*という治療法があります。経験や実力が少ない先生でも、この治療法を用いることでベテランの先生と同じくらいの結果が得られやすいです。

しかし、インプラント治療はかぶせ物が入って終わりではなく、そこからがスタートです。長持ちしなければ意味がありません。長持ちさせるには定期的なメインテナンスが重要で、それに関してのノウハウは経験・実力のある先生の方に分があると考えます。

*コンピューター上でインプラントを入れる場所を決定し、マウスピースのような手術用の装置を作り、それを用いてインプラント手術を行うこと

最後に

今、インプラント治療を検討されている方にアドバイスがあればお願いします。

たった一本歯を失うだけでお口の崩壊が始まってしまい、毎日の生活に支障をきたしてしまいます。インプラント治療は、残った歯やお口の健康を守ってくれる画期的な治療法です。

昔と比べて現在は、インプラント治療がとても安全に行えるようになっています。長い人生、毎日の食事を美味しく楽しむことはとても大切です。入れ歯やブリッジでもそれは可能ですが、インプラントが最も良い方法だと思います。

インターネットで色々調べて悩むよりも、まずはインプラントを行っている歯科医院に相談することをおすすめします。そこでメリット・デメリットなどの説明をしっかりと受けて、インプラント治療を行うかどうかを決定されるのがしっかりと納得できて良いと思います。

Special Thanks【高津光雄先生】

高津光雄先生の写真

勤務先

  • みつおデンタルクリニック
    https://kotsudent.com/profile/

経歴

  • 2010年03月 福岡県立九州歯科大学歯学部卒業
  • 2010年04月 大阪歯科大学有歯補綴咬合学講座入局
  • 2011年04月 上り口歯科医院勤務
  • 2019年04月 行徳スマイル歯科医院勤務
  • 2021年09年 みつおデンタルクリニック開院

所属・資格など

  • 臨床研修指導医
  • 前歯でも噛める入れ歯研究会

問合せ先

  • 06-6948-6232
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