インプラント治療の名医・名病院を探せるサイト「インプラントバンク」 » インプラントとは何か?|インプラントの基礎知識 » インプラント治療について村上弘先生にインタビュー

知っておきたいインプラントの基礎知識

knowledge

今回協力してくれたのはこの先生歯の画像

むらかみひろし歯科医院 村上 弘 先生

歯科医_村上弘先生

インプラント治療について、気になる疑問や不安に思っていることなど、むらかみひろし歯科医院の院長である村上弘先生(むらかみ ひろし)に率直に聞いてみました。質問に対して丁寧にお答えいただきましたので、是非参考にしてみてください。

村上弘先生について

最初に先生のご経歴を教えてください。

福岡歯科大学卒業後、大学院へ進学し10年ほど大学で勤務してきました。歯周病を中心に研鑽を重ね、日本歯周病学会認定歯周病専門医を取得しました。現在は福岡市内で歯科医院を開業しています。

先生の考えるインプラント治療について

今回はインプラント治療についてお聞きしたいと思います。まず、インプラント治療をおこなう目的について教えていただけますか。

インプラントは、なんらかの理由で歯を失った人に対して歯を補うためにおこなう治療です。チタン製の人工歯根を顎の骨に埋め込んで被せものを付けます。自然の歯に近い機能と外見を回復することが目的です。

歯を失った際の治療として、ブリッジや入れ歯も選択肢としてあると思います。比較してインプラントの優れている点はどこでしょうか。

インプラントのメリットは、他の歯への負担が少ないところです。ブリッジを取り付けるためには、両端の歯を大きく削る必要があります。力もかかるため一時的にはよくても、他の歯の寿命を縮めてしまうことがブリッジの問題点です。入れ歯の場合は手入れの手間や、患者さんの心理的抵抗がある場合も多いですね。

ブリッジや入れ歯は保険適用されますが、インプラント治療費は保険適用外であるため高額になります。ただしその後の歯の健康や快適性を考えると、費用だけで判断せず、今後の人生のQOLも含め検討すべき選択肢の一つです。

歯科医_村上弘先生2

インプラントは他の選択肢と違って万能と言えますか?

歯を補うという点であれば他の歯には負担がかからないのでベストな選択肢かもしれません。しかし、重篤な糖尿病など他の全身疾患や事情からインプラントが適さない方もいらっしゃいますので、残念ながら全ての人に万能という訳ではありません。

また、私は20代以下の若い方へもおすすめしていません。インプラントを施した周囲の骨は一生そのままの状態ではないからです。良好な経過をたどるインプラント治療でも、年に0.1mm程度周囲の骨が吸収されてしまうという報告もあります。30年経過すると3mm程度周囲の骨が吸収され、状態が悪いとインプラント自体を支える骨がなくなってしまうこともあり、外見や機能的なトラブルにつながる可能性があるのです。しばらく待てる状態であったら、最低限の外見の処理などはおこないつつ、経過観察をおすすめしています。

ただし、歯がない状態で放置すると骨吸収が進んでしまうという考え方もあるので、患者さんの状態ごとに最適な判断をおこなうべきでしょう。

インプラントやブリッジ、入れ歯は、「歯がなくなった」という問題を解決する手段です。「なるべく多くの歯を良好な状態で長持ちさせる」ことが目標なので、短期的な対策ではなく長い目で見てベストな選択をすることが重要です。

インプラント治療のリスクやトラブル、注意点があれば教えてください。

手術を含めてインプラント治療自体のリスクは低いですが、治療後のケア不足によるトラブルは注意が必要です。

インプラントは、天然の歯よりも細菌に対するバリア機能が弱いです。インプラント歯周炎(インプラントの歯周病)になってしまうと、骨の吸収が進みインプラントが抜け落ちてしまうなどトラブルが起きることがあります。原因は患者さんの手入れ技術不足や、歯に悪い習慣です。

虫歯と歯周病が原因で抜歯になりインプラントをされる方がほとんどです。また、その原因である虫歯と歯周病は日頃からの歯に対するメインテナンス不足から起こる「生活習慣病」です。
インプラントは正しくケアすれば30年以上使い続けることができますが、歯を失った原因を解決しないとインプラントも同じように失ってしまいます。

歯周病を患って来院された場合、事前に歯周病の治療をおこないます。事前治療がインプラントと並行して進められるなら3ヶ月〜6ヶ月年程度の治療期間を見込んでおくといいでしょう。

インプラント治療におけるクリニック選びについて

数多くあるクリニックからどこを選べばいいかわからない患者さんも少なくないようです。どのようなポイントで選択できるでしょうか?

歯の状態やインプラントを希望する理由など、実際に診察しなくてはわからないので、気になったクリニックへ足を運んでみることは不可欠だと思います。どんな治療もメリット・デメリットがあるので、きちんと説明してもらい、納得感を持つことが大切です。

今は情報が入手しやすくなり、歯医者も多くいます。患者さん自身が選ぶ時代になっているので、疑問に思ったことは納得できるまで確認し、信頼に値する医師を見つけるべきでしょう。迷われることがあったら、セカンドオピニオンをもらうことをおすすめします。大学病院にはセカンドオピニオン外来があるので、気軽に相談にいかれてはいかがでしょうか。

技術の高さは治療効果にどの程度影響しますか?手術数が多いクリニックを選ぶのが安心でしょうか?

手術数が多いからいいクリニックとは言い切れないです。
難易度の高い患者さんの場合、技術の差は出てくると思います。骨造成が必要になったり、骨や歯の状態によって難易度は変わります。外科手術なのでノーリスクではありませんが、通常の条件ならば手術自体の難易度はさほど高くありません。

手術数が多いことは、考えようによっては患者さん一人ひとりときちんと向き合う時間を取れているのか疑問に繋がります。お口の状態は患者さんごとに異なりますし、手術前後のケアも技術と同じぐらい大切だと思います。皆さんに真摯に向き合ってくれる先生をとことん探してみてください。

手術を成功させるのは大前提で、インプラントを選択するに至った経緯を把握し、患者さんに合った治療法を提案することが歯科医師に求められる能力だと思います。たとえばインプラントの相談に来られた方でも、診断をすると実は本当に必要な治療は「抜歯が必要な矯正治療」だったりすることもあります。

最適なアドバイスをおこなうには多くの症例を経験していることが重要です。経験を重ねた先生はトラブルに至った原因や、気をつけるべきポイントを発見しやすいという強みがあります。

歯科医_村上弘先生3

クリニックにより金額差が大きいと思いますが、どんな要因があるのでしょうか?

自由診療のため、歯科医師の裁量で価格は自由に決められます。手術にかかるコスト・技術料をそれぞれが設定できるのです。
金額差の要因として、

  • インプラントメーカー
  • 手術の難易度
  • インプラントの被せ物の種類
  • 術後の保証期間
  • 術者の熟練度

などが考えられます。
インプラントメーカーについては欧米製は高価、日本製は中堅、中国・韓国製は安価という傾向があります。インプラントを打つための骨を作る処置や、歯茎に厚みを持たせる処置などが必要な症例であれば、手術にかかる費用は高くなりますね。被せものの種類も総額に大きなインパクトが出ます。金属・セラミック・プラスチックなどで全く費用が変わるので。

高いからいい、安いから危ないというわけではないですよね。

費用だけで判断はできません。ただ、安さを重視することでリスクは有ると思います。大学で診療していると安価なインプラント手術を受けた結果、大きなトラブルになっているケースをいくつも見て来ましたので、しっかり何にいくらかかるかを説明してもらいましょう。

歯科医師は善管注意義務という法律上の義務が課せられます。私たちは請け負った全ての治療に対して最善を尽くさなければなりません。それは金額がいくらであれ、変わりません。もし、金額で寿命を左右させるような方がいれば医療人として許せませんね。

あらゆる状況に対応するための準備をするのも私たちの責務です。その最善のために必要な費用を請求します。その契約を交わした時点で最善を尽くすので、トラブルが起きた時には歯科医師側にも責任が生じると思います。しかし、問診などで持病などを聞かれた時にあらかじめ伝えていないことで起きるトラブルもあります。この点は注意が必要でしょう。

インプラント治療後について

金額によりインプラントの寿命は変わりますか?

インプラントはメーカーが製造するので、品質・寿命はどの製品を利用するかに依存します。原価はありますが、お話したとおりさまざまな費用が加算されているので、総額で寿命は判断できません。

保証期間後のトラブルは自費での対応が必要でしょうか?

基本的にインプラント治療は自費治療ですので、トラブルに関しても自費となります。保証期間と保証のための条件などがクリニックによって違うため、その点はしっかり確認する方がいいでしょう。
当院もそうですが、インプラント後のメインテナンスに応じない場合は責任が取れないので保証の対象にはならないことが多いです。

認定医、専門医、指導医など肩書も基準にすべきでしょうか?

専門医は、特定の分野についてしっかりした経験と知識を持っている証明になります。認定医と比較すると専門医の肩書を持つ医師がおすすめです。インプラント以外の専門医でもいいと思います。専門医を取得しているということは、ある分野を突き詰め、知識や技術が基準をクリアしている証明なので、信頼性が高いと言えます。
指導医は専門医取得後の教育への貢献度を評価されるものです。技術的なものであれば専門医以上の資格を持っているのであれば信頼できると思います。

技術や知識だけでなく、きちんと向き合ってくれる先生かどうかも考慮すべきということですね。

インプラントは優れた選択肢ではありますが、「歯がダメになったらインプラントをすれば大丈夫」ということではありません。ケアによっては、お金を無駄にするだけでなく、大切な歯をさらに失うことになってしまいます。

歯を健康に保つためには、知識を持ち、悪い習慣を改善しなくてはいけません。そのために歯科医師や衛生士のサポートやチェックを継続的に受ける必要があります。クリニック選びの際は、インプラント治療の価格や内容だけでなく、治療終了後もご自身の歯を任せられる歯科医師を選ぶべきではないでしょうか。

Special Thanks【村上 弘 先生】

歯科医_村上弘先生1

勤務先

  • むらかみひろし歯科医院 院長
    https://murakamihiroshi-dc.com/

経歴

  • 福岡歯科大学・大学院卒業

  • 博士(歯学)

  • 日本歯周病学会認定歯周病専門医

  • 福岡歯科大学歯周病学分野臨床准教授

  • これまで歯の保存とその長期的維持を第一に考え治療に携わってきました。
    皆さんにベストな治療と適切なメインテナンスを提供し、笑顔で過ごして頂けるようにこれからも勉強していきたいと思います。

    Twitter Facebook LINE B!ブックマーク
    この記事のURLをコピーする

    Page TOP