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失敗する原因は?

失敗する原因は?(イメージ)
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インプラントの失敗事例に関して解説

「インプラントはどこでやっても同じ」ではありません

最近ではインプラントを扱うクリニックが増える一方で、事故やトラブルも増加しています。インプラントは高度な技術と専門知識、設備がなければできない、難しい治療です。料金の安さや、手軽さだけを見て、信頼できる医師かどうかを判断しなかったために、つらい思いを経験した人もいることを知っておきましょう。このコーナーでは実際に起こった事故やトラブルを検証しながら、失敗の原因や、失敗しないインプラントのコツなどを紹介していきます。大切なのは、信頼できる医師と出会うこと!安易な医師選びは禁物ですよ。

インプラントの失敗事例

インプラントは、歯科医師の免許さえあれば誰でも行なうことができる歯科治療。昨今では、街の多くでインプラントを謳う歯科クリニックを見かけるようになりました。ところがインプラントには、歯科治療の中でも比較的高度な技術力が必要。歯科医師免許があるからと言って、明日からすぐにできるような治療ではありません。

大学病院や歯科クリニックでの豊富な経験、高い技術力がなければ、失敗もしくは何らかの歯の不具合を伴う可能性があります。インプラントの失敗例としてよく聞かれるのが、「歯が抜け落ちた」「かぶせものが壊れた」「痛みや腫れがひかない」などといったもの。再治療による不要な身体的・経済的負担を避けるためにも、歯医者選びを見誤らないようにしたいものです。

抜け落ちた

インプラントが抜け落ちてしまう失敗例が見られます。治療後、ほどなく抜け落ちてしまう人もいれば、1年や2年といった比較的短い期間の間に抜け落ちてしまう人もいます。インプラントが抜け落ちてしまう第一の原因は、治療した歯科医師の技術力の問題。経験不足の歯科医師が治療を担当すると、歯が抜け落ちてしまうことがあります。ただし患者側の不適切な手入れ、糖尿病、喫煙などが原因で歯が抜け落ちてしまうこともあるので注意しましょう。

かぶせ物が壊れた/取れた

インプラントの柱の上にかぶっている人口歯(かぶせ物)が取れてしまうという失敗例も見られます。あるいは、かぶせ物自体が破損してしまうといったケースも同じ失敗例に含まれるでしょう。かぶせ物が取れたり破損したりする原因は、スクリューの締めの甘さ。歯科医師の経験不足が原因と言って差し支えないでしょう。ただし患者側の歯のかみ合わせの強さが原因になっていることもあるので、治療後の歯科医師の注意事項は十分に聞いておいてください。

痛み、腫れが引かない

インプラントは外科手術の一種なので、治療を受けた後の数日は、歯やその周辺に痛みを伴います。数日を経て痛みはひいていきますが、中には何日経っても痛みがひかない例も見られます。何日も痛みがひかない場合、原因として考えられるのが、治療部位における細菌感染です。歯科医院の医療器具は、使い捨てか、または十分な殺菌・滅菌処理が行なわれたのちに使用されていますが、そのプロセスで何らかの問題があった可能性があります。

しびれが残る

インプラントを受けた後、その周辺(唇など)にしびれが残る例が見られます。数日で症状が改善すれば問題ありませんが、患者の中には、何日経ってもしびれがひかないケースが見られます。しびれがひかない原因は、治療の際に患部付近の神経を傷つけてしまったことが大半。神経との絡みに十分な配慮をしながら治療を行なえる歯科医師ならば、そのような失敗を犯すことはほとんどありません。

インプラントが骨を突き抜けた

上の奥歯の歯根あたりには、薄い骨が存在しています。その骨のさらに奥は、上顎洞(じょうがくどう)と呼ばれる空洞。インプラント治療の際、その薄い骨を突き破ってしまって上顎洞に人工歯根が入り込んでしまうミスが見られます。この場合、歯科医がそれを取り除くことはできません。耳鼻咽喉科等で手術をして除去することになります。当ミスの原因は、第一に歯科医の技術力不足。また技術力以前に、術前のCT検査をしっかりと行なっていないことなどが指摘されています。

歯茎が黒ずむ

インプラントを受けた部分の歯茎が薄い場合、埋め込んだインプラントが歯茎から透けてしまうことが原因で、黒ずんで見えてしまうことがあります。あるいは、歯茎の薄さを原因とする血流不足で、部分的に赤黒く見えてしまうこともあります。周囲の歯や歯茎との色の調和を考えた、審美性の高い治療が望まれます。

見た目が悪い

インプラントをした歯の見た目が、他の歯と不自然に不揃いになってしまうケースが見られます。簡単に言えば、見た目が悪い、ということです。インプラントを施した部分では、歯を支える骨が少し後退してしまうことがあります。そのため、たとえば上の歯にインプラントをした場合、骨の後退と逆行して歯ぐきが下がってしまう現象がたびたび見られます。歯の審美性は顔全体の印象を左右します。技術力の高い歯科医師に治療してもらうようにしましょう。

金銭トラブル

想定外の追加料金が請求されるといったトラブルも見られます。具体的には、再治療のための料金を追加請求されたり、または義歯が完成するまでの間の仮歯を別料金で請求されたり、といったケースです。治療を決断する前に、「治療に失敗した際の追加料金の有無」「追加料金の目安」「仮歯代」「精密検査代」などが治療費増額の中に含まれているかどうか、書面を通じてしっかりと確認するようにしましょう。

そもそもなぜ失敗するのか?

治療計画が不十分

一般に歯は、単一の原因で抜け落ちるものではありません。歯周病、噛み合わせのアンバランス、歯根の破損など、様々な原因が複合的に組み合わさった結果で抜け落ちるものです。これら根本的な原因を解決しないまま、単に欠損した部分にインプラントを埋め込んだとしても、将来的には再び何らかの歯のトラブルを抱えてしまう可能性があります。歯科医師は、患者の口腔内全体の状態やバランスを考え、総合的な計画のもとでインプラント治療を行なわなければなりません。

衛生管理がきちんとされていない

インプラント治療は、普通の虫歯の治療とは異なり、歯科治療の中では大掛かりな外科手術に位置づけられます。そのため、衛生管理が徹底していない歯科医院でインプラント治療を受けた場合、感染のリスクがあることを理解しておきましょう。専用の手術室があるか、手術に使う器具は完全に滅菌されているか、手術の際には歯科医師やアシスタントは滅菌された手術衣を着用するか、といった点は、手術を受ける前に患者側からも確認しておくようにしたいものです。

歯肉が不足している

インプラントを行なう際は、その周辺に一定量の歯肉が必要です。歯肉が少ないにも関わらず、何の処置もしないままインプラントを挿入すると、やがて歯肉が縮む歯肉退縮という症状になりかねません。歯肉退縮はインプラント歯周炎の大きな要因の一つ。加えて、メタル製の人工歯根が露出するなど、審美的な問題も生じます。歯肉が不足している場合には、インプラント前に歯肉を増やす処置を行わなければなりません。

上部構造のトラブル

インプラントは、金属による歯根の部分と、セラミックなどによる白い歯の部分から成り立ちます。これらのうち白い歯の部分を、上部構造と言います。上部構造は、患者の少々のかみ合わせエラーによって破損してしまうこともあるので、注意が必要です。破損の理由は、天然歯に見られるような歯根膜という緩衝剤がないこと。トラブルを避けるには耐久性のある上部構造の選択、または歯科医師による適切な咬合調整が必要となります。

術後のメンテナンスが不十分

インプラントを受けたら虫歯にならないので安心、というわけにはいきません。確かに人工歯なので虫歯にはなりませんが、治療後のメンテナンス次第では、インプラント周囲炎などの深刻なトラブルを招きます。患者側においては、毎日の念入りなブラッシングを欠かさないようにしましょう。あわせてデンタルフロスなどを使い、インプラントに雑菌が入り込まないよう入念なケアを行なってください。歯科医院における定期的なメンテナンスも必要です。術後のメンテナンスが不十分な歯科医院でインプラントを受けてしまった場合は、インプラント症例の豊富な歯科医院や大学病院等へ自ら赴き、定期的なメンテナンスを申し出るようにしましょう。

過度な喫煙

喫煙はインプラント治療の失敗を招く大きな要因です。あるデータによると、喫煙者のインプラント失敗率は、非喫煙者のそれに対して4倍程度(2016年7月5日更新・西永福歯科ブログより)※となっています。喫煙者においてインプラントが失敗する理由は、骨の結合がうまくいかないこと。インプラント治療を成功させる大前提は、人工歯根と骨との結合です。この結合には、歯茎に十分な血流が必要となります。ニコチンは歯茎の血管を極端に収縮させるため、喫煙すると人工歯根と骨との結合がスムーズに行なわれません。歯科医院の中には、喫煙者のインプラントを断っているところもあるほどです。インプラントを成功させたい人は、その前提として禁煙を成功させる必要があります。

※参照元:西永福歯科(https://nishieifuku-shika.net/blog/160705/)

インプラントの失敗のほとんどは人為的トラブルが原因?

インプラントが失敗する原因にはさまざまなものがありますが、それら原因をよく精査してみると、結局は歯科医師の技量不足などによる人為的な失敗が大半です。

かつては、インプラントの素材自体が失敗の原因となることもありましたが、現在ではそのようなことはほとんどありません。以下、人為的な理由によるインプラントの失敗例を見てみましょう。

インプラントの将来を予測しない治療計画

仮に、上の歯が4本、下の歯が4本、合計8本の歯を欠損した患者さんがいたとします。当然、すべての歯にインプラントを埋入することが理想ですが、歯科医院の中には、患者さんの強い要望などにより上下1本ずつのインプラントで済ませてしまう例が見られます。

この状態では、本来なら8本の歯にかかるべき力がインプラントの2本に集中してしまい、欠損するのは時間の問題です。歯科医師は、インプラントの将来を予測し、別の治療法も検討したうえで最善の方法を選択すべきでしょう。

歯科医師から患者さんへの指導不足

インプラントを入れた後は、数ヶ月に一度の頻度でメンテナンスのために通院が必要となります。ところが患者さんの中には、多忙や面倒などの理由で、やがて通院に来なくなる例も見られます。定期的なメンテナンスを怠るとインプラントの寿命が縮むことは、歯科医師の中では常識です。

患者さんにメンテナンスの重要性をしっかりと指導してきれていない、歯科医師にも責任があるでしょう。

インプラント埋入から骨結合までの時間不足

インプラントと骨がしっかりと結合するまでには、一定の期間が必要です。この期間にインプラントに過剰な力を加えると、のちの仕上がりに不具合が生じることがあります。

ところが中には、患者さんからの強い要望等に負け、治療から十分な期間を置かずしてすぐに噛める仮歯を入れてしまう歯科医師もいます。期間を置かないことのリスクを、十分に理解していない歯科医師なのかも知れません。

これだけは守りたい!インプラント医院選び

インプラント専門医または指導医の資格を持っているか

どんな症状の患者にも問題なくインプラントを行なうためには、歯科医師には相応の技術力が求められます。また技術力だけではなく、全身管理や術後のケア、かぶせ物の材質の知識など、様々な面での土台も歯科医師には必要とされます。

歯科医の力量を見極める判断基準として、「最低でも1,000本以上のインプラント経験」などが挙げられますが、必ずしも治療本数が多いからと言って、その医師の技術力が高いと即断することはできません。正しい知識、正しい技術のもとでの経験が必要だからです。

そこで、さらに重要となる基準が、日本口腔インプラント学会といったインプラント関連学会の専門医または指導医の資格を得ているかどうか、という点。資格の有無こそ、信頼して治療を任せることができる客観的な判断基準となるのです。

日本口腔インプラント専門医の条件

日本口腔インプラント学会から専門医の資格をもらうためには、様々な厳しい基準をすべてクリアしなければなりません。参考までに、インプラント専門医の資格をもらうための基準の一部をご紹介しましょう。

  • 同学会の研修施設に5年以上在籍し、必要な知識と技術力を習得する
  • インプラント指導医2名の推薦を得る
  • 同学会の定めた治療症例
  • 治療本数をクリアする
  • 同学会で2回以上の発表を行っている
  • インプラントに関する学術論文を、専門雑誌に1編以上発表している

これらの他にも、厳しい基準はたくさんあります。それら基準のすべてをクリアして初めてインプラント専門医の資格が付与されます。資格取得までの道のりがいかに険しいものであるかは容易に想像ができるでしょう。

参照元:公益社団法人日本口腔インプラント学会:専門医制度規程

失敗しないインプラント医院のポイント

歯科医院のインプラントに対する姿勢も大事

日本口腔インプラント学会インプラント専門医の資格を得るためには、様々な厳しい基準をすべてクリアしなければなりません。そのうえで口頭試験に合格し、初めて専門医資格を付与されます。ただ、この専門医資格には有効期限があります。資格を付与されてから5年の間に学会が定めた業績をクリアしなければ、容赦なく専門医資格が剥奪される仕組みになっているのです。

インプラント専門医という資格を謳い続けることが、いかに難しいものであるかが分かるでしょう。さらに、より失敗の可能性を排除するため、患者側が持つべきもう一つの重要な視点があります。それは、歯科医院のインプラントに対する姿勢です。患者側でチェックするべき項目として、5つの項目を具体的に見ていきましょう。

CT完備/活用している

専門医資格の有無以外に、患者側としてチェックすべき最も重要なポイントは、そのクリニックがCTを完備・活用しているかどうかという点です。クリニック自体がCTを完備していることが最善ですが、たとえ完備していなくても近隣の提携病院でCT検査を行なっていれば可とします。より正確性を高めたインプラントを行なうためには、歯科医師の経験だけに頼らず、最新の医療設備を十分に活用することが大切です。

歯石除去や歯磨き指導が熱心

治療後の歯石除去指導や歯磨き指導に熱心かどうかは、インプラント歯科医院を選ぶうえで大切な要素となります。インプラントは、普通の差し歯に比べて耐久性と安定性にすぐれた治療法。しかし、その利点を十分に生かすためには、患者側の日常的かつ適切なケアが必要となります。インプラント周囲の歯の磨き方、歯石除去、歯周病予防などの指導・対策に熱心であるかどうかが、良いクリニック選びの大事な基準となります。

インフォームドコンセントの活用

インフォームドコンセントとは、「医師が患者に治療方法、治療のメリット、治療のデメリットを十分に説明し、なおかつ患者がそれらを十分に理解して、患者自身が治療を選ぶ」こと。たとえ歯科医師の判断が正しいものであったとしても、このインフォームドコンセントが不十分である場合、治療においても予後においても患者は不安を抱えることになります。そもそも信頼できる歯科医師は、患者とのインフォームドコンセントにぬかりがありません。

セカンドオピニオンに嫌な顔をしない

初めから信頼できる歯科医師と巡り合えれば良いのですが、多少なりとも不安を感じてしまった場合には、患者は遠慮なく「セカンドオピニオンを受けたい」と申し出るようにしましょう。その際、歯科医師が嫌な顔をしたり妙な説得を始めたりするならば、医師自身、自分の判断力や技術力に自信がない可能性があります。自分の技術力に自信のある歯科医師ならば、セカンドオピニオン先に提出する資料を気持ちよく用意してくれるはずです。

衛生管理が行き届いている

クリニックの衛生管理状態もよくチェックしておきましょう。治療台周辺だけではなく待合室やトイレなどに清掃・消毒が行き渡っているかどうか、治療のたびに使い捨ての手袋を使用しているかどうかなども、しっかりと確認を。衛生管理が感染症の予防において重要であることは、言うまでもありません。それと同時に、衛生管理はそのクリニックの治療に対する姿勢を垣間見ることができる、大事な視点にもなります。

失敗しないために…

インプラント治療で失敗しないためには、信頼できる医師選びをしっかりと行うこと。これしか方法はありません。 歯科医はたくさんいますが、歯科医の技術はみな同じではありません。

安全・確実なインプラント治療ができる先生かどうか、わからないこともしっかり説明してくれるかどうか、最新技術や知識を取り入れる勉強や研修を受けているか…クリニックの口コミ評判や、ドクターズブログ、実際にカウンセリングに足を運ぶなどして、慎重に信頼できる先生を選びましょう。クリニックの設備もしっかりチェックを。自信のある設備を導入している歯科であれば大抵の場合、HP等に掲載されているはずです。

また、失敗しないインプラントを受けるには、患者側も注意しなければならないことがあります。 たとえば糖尿病や高血圧症などの生活習慣病、心臓や腎臓、肝臓などに疾患をお持ちの方は、インプラントの固定率が低くなりやすく、場合によってはインプラント治療を受けることができないこともありますので、医師としっかり相談することが重要です。 ヘビースモーカーやアルコールの摂取量が多い方も、インプラントが失敗する確率が高いと言われています。妊娠中の方も同様です。こうした方は手術直後に細菌に感染する可能性が高くなるため、インプラントが失敗する原因となります。 こうした点を充分に留意しながら、しっかりクリニックを選びましょう。

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