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インプラント矯正ってなに?

インプラント矯正ってなに?(イメージ)
ギモン7Question7

インプラント矯正ってなに?

長くてつらい歯の矯正にサヨナラ!
インプラントの技術を活用した短期の矯正法です。

インプラント矯正は、人工歯根をアゴの骨に埋め込むインプラント技術を活用して行われる、新しい歯の矯正方法です。船のアンカーのように、インプラントを支点として矯正したい歯をひっぱるので、通常のブリッジなどの矯正より短期間で矯正できると言われています。

インプラント矯正とは?

インプラントは、失ってしまった歯のかわりに人工の歯を埋め込む治療のことを指します。一方、「インプラント矯正」はインプラントの技術を活かした矯正方法のことです。「インプラントとインプラント矯正って同じもの?」と混乱してしまう人もいるかもしれませんが、実は似て非なるもの。同じではありません。

インプラントとは、アゴの骨に人工歯根を埋め込むことで人工歯をしっかり固定させ、自分の歯と全く同じようにかむことができるシステムです。この「骨に人工物を固定する」というインプラントならではの技術を応用したのが、インプラント矯正。矯正専用に開発されたインプラントをアゴの骨に埋め込み、インプラントを支点に動かしたい歯をひっぱることで、より短期間に効率よく歯の矯正を行うことができます。

これまで歯の矯正を行うには、ワイヤーで歯同士をひっぱり合う方法が一般的でしたが、この方法だと2~3年と矯正期間が非常に長く、見た目にも目立ってしまったり、矯正するために健康な歯を抜くなどの問題が数多くありました。それがインプラント矯正だと約半年という圧倒的に短い期間で矯正が可能になるのです。

インプラント矯正の費用

1本25,000~30,000円が相場

インプラント矯正の費用相場は、1本につき25,000~30,000円となります。この費用の中には、器具代の他にも精密検査代、埋入代、薬代、器具の除去代など、治療までに必要な一切の料金が含まれていることが一般的です。

ただし治療費の内訳についてはクリニックによって違いがあるため、事前に明確な説明を求めるようにしましょう。なお、ご自身でインプラント矯正の費用を調べる場合、くれぐれも「インプラント」の費用と混同しないようにしてください。「インプラント」は差し歯治療の一種で、費用は「インプラント矯正」の10倍近くになります。お間違えのないように。

インプラント矯正がオススメな人

ガミースマイル

ガミースマイルとは、笑ったときに上の歯ぐきが大きく見えてしまう状態のこと。それが機能的に何らかの不具合をもたらすことはほとんどありませんが、審美面においてコンプレックスと感じている人は少なくありません。インプラント矯正では、ガミースマイルの治療が可能。上歯ぐきの上部にアンカースクリューというネジを埋め込み(インプラント)、歯列全体を上に移動させることで、ガミースマイルの改善を図ることができます。従来、ガミースマイルの治療には外科手術が必要でしたが、インプラント矯正の登場によって、患者の身体的な負担を軽減させつつガミースマイルの改善を図ることができるようになりました。

出っ歯/噛み合わせが深い

出っ歯によるかみ合わせの問題や見た目の問題を解消するためにも、インプラント矯正は有効です。患者の症状のタイプにもよりますが、一般には上の歯を2本抜いて、上下の歯列を矯正しつつインプラント矯正を併用する、といった治療法が採用されます。この治療によって出っ歯が後ろに引っ込み、逆に下の歯列が前へと移動。噛み合わせの問題も見た目の問題も、おおむね解消されます。重度の出っ歯の場合、従来の矯正治療だけでは完全な治療が難しいとされてきましたが、インプラント矯正を併用することによって改善は容易なものとなりました。従来の治療法に比べて矯正期間が短くて済むというメリットもあります。

八重歯

インプラント矯正では、八重歯も容易に矯正することができます。八重歯と併せて見られることの多い「歯列のガタガタ」も同時に矯正していくことが可能です。歯の状態によっては、抜歯をせずに治療することもできます。治療法は、通常の上下歯列矯正とインプラント矯正の併用。通常矯正とインプラント矯正を合わせることによって、八重歯やガタガタの歯を全体的に後方へと移動させます。移動が完了したときに歯列全体が正常な位置に安定している、という流れです。従来の矯正治療のみでは、八重歯とガタガタの歯を同時に美しく矯正することはできませんでした。インプラント矯正を併用して初めて可能となった治療法です。

インプラント矯正は何をする?

MIS(Micro Implant Screw)システム

MIS(Micro Implant Screw)システムとは、ごく小さなネジのような器具をアゴの骨に埋め込むインプラント治療法。埋め込んだ器具を固定源にし、歯列を引っ張ることによって矯正を図ります。器具の装着は非常に容易。30分ほどあれば、2本埋め込むこともできます。器具を埋め込む際、および埋め込んだ後も、ほとんど痛みを伴わない点がMISシステムのメリット。「骨にネジを埋め込む」と聞くと少々ひるんでしまいますが、術中も術後も痛みがほとんどありません。一方で、器具が小さいために耐えられる限界が低い点はデメリット。400gから500g程度の力にしか耐えることができず、これを超えると装置が緩んでしまったり抜けてしまったりすることがあります。

SMAPシステム

SMAPシステムとは、インプラント装置を利用して歯ぐきに金属の板(プレート)を固定させる治療法。固定されたプレートを固定源とし、他の歯を引っ張って矯正を行います。MISシステムに比べてSMAPシステムは安定性が高く、耐えられる限界も1kg程度と高め。そのため、強い牽引力を必要とする場合でも、信頼性は高い治療法とされています。一方で、装置を固定させるために外科手術が必要となる点はデメリット。外科手術とは言っても簡単なものなのですが、術後4~5日ほどは痛みや腫れが続くと考えておいたほうが良いでしょう。場合によっては、総合病院の口腔外科での手術が必要となります。これらデメリットを克服できるならば、難度の高い矯正でも可能となります。

K-1システム

極小のネジを歯ぐきに埋め込むMISシステム、強力な牽引力にも耐えられるSMAPシステムに対し、ちょうど中間的な位置にあるのがK-1システムです。主に前歯の矯正に有効な治療法で、ガミースマイルの矯正にも特に有効とされています。器具の装着時には局所麻酔、または静脈麻酔が施されるので、痛みを感じることはありません。治療後の腫れは少々あるものの、外見上から分かるほどではありません。また器具装着後の異物感も、ほんの数日で気にならない程度になります。一方で、他のインプラント治療と同様、インプラント挿入部分を不衛生にしていると感染症等のリスクが生じるため、矯正中は日ごろから口腔内を清潔に保つ必要があります。

インプラント矯正のメリット

矯正期間が通常の半分

通常の歯列矯正は、ワイヤーで接続された歯と歯が互いに引っ張り合うことで、徐々に歯を移動させていくという方法。動かさなくても良い歯も一緒に移動してしまうなど矯正のプロセスには様々な問題があるため、矯正が完了するまでに2~3年が必要となるのが一般的です。一方でインプラント矯正は、人口歯根を起点に必要な歯を引っ張っていく治療法。歯の移動がスムーズかつ安定的なので、従来の歯列矯正に比べて矯正期間が半分程度で済むというメリットがあります。

抜歯をせずに矯正できる

一般的な歯列矯正に比べてインプラント矯正では、歯をより強力に牽引することができます。牽引力が強い分、歯の移動距離が大きくなるため、場合によっては抜歯をせずとも目標の位置まで歯を移動させることが可能です。いかなる歯科治療でも、健康な歯を抜かないで治療できるに越したことはありません。ただし歯列の状態によっては、どうしても抜歯が必要となる場合もあります。詳しくは治療前に歯科医師と相談をしましょう。

複雑な装置を使わない

従来の歯列矯正治療では、特定の歯を動かすために、歯列全体に力を加える必要がありました。そのため装置が大掛かりとなり、どうしても口内に違和感やしゃべりにくさなどが残りました。また器具が歯磨きの邪魔をするため、虫歯になりやすいというデメリットもありました。一方でインプラント矯正の装置は、非常に小さくてシンプル。口の中の違和感にも短期間で慣れ、かつ虫歯にもなりにくいといったメリットも生まれました。

動かしたい歯だけを動かす

今までの歯列矯正は、歯と歯の牽引力を利用した治療法。よって、ただ1本の歯を移動する場合でも、他の多くの歯に器具を装着しなければなりませんでした。それに対してインプラント矯正は、人口歯根を起点に歯を牽引する治療法。特定の1本の歯を移動させたい場合には、その歯と人口歯根をつなげば良いだけです。そのため、装着の違和感や見た目の違和感を最小限にして矯正を進めることができます。

虫歯のリスクを減らせる

従来の一般的な歯列矯正の場合、多くの歯にブラケットと呼ばれる器具を接着させることになります。この器具が歯磨きの妨げとなり、歯垢や食べ物のカスが歯に残って虫歯を促進してしまうことがあります。一方でインプラント矯正の場合、装置がシンプルなため歯磨きもスムーズ。たとえブラケットとの併用が必要な治療であったとしても、その装着期間は短めになるため、虫歯のリスクが大幅に軽減します。

インプラント矯正のデメリット

麻酔が必須

インプラント矯正とは、ネジのような器具をアゴの骨に埋め込んで固定させる治療法。外科手術の一種なので、当然ながら麻酔なしで治療することはできません。一般には局所麻酔が使われますが、患者の希望に応じて静脈麻酔が使われる場合もあります。もちろん、治療中は麻酔が効いているため痛みはありませんが、治療後には痛みや腫れを生じることもあります。治療後の痛みが不安な方は、治療時の麻酔が切れる前に鎮痛剤を服用しておいたほうが良いでしょう。

器具の寿命が短い

インプラント矯正に使用される器具は、一般的な歯列矯正で使用される器具とは違い、長期間の耐用年数を保証するものではありません。日々の咀嚼なども考慮すれば、装着してから短期間で器具が抜けてしまったり、緩んでしまったりすることもあります。矯正が完了する前にインプラント器具が取れてしまったならば、再治療による身体的・経済的負担ものしかかってくるでしょう。再治療にならないよう、歯科医師から指導された日頃のケアをしっかりと実践しましょう。

取り除く必要がある

一般的な歯列矯正治療でも同じことですが、歯が目標の位置に移動して安定したら、装着した器具を外さなければなりません。歯科医院に行く手間や、器具を外す心理的・身体的不安などを重たく感じる人もいるでしょう。なお、インプラント矯正の器具を外す際、痛みを伴う人もいれば伴わない人もいます。そのため、個々に応じて麻酔を使う場合もあれば使わない場合もあります。痛みが不安な人は、あらかじめ医師に麻酔を使うよう伝えておきましょう。

折れる時がある

インプラント矯正に使われる器具は、一般的な矯正器具に比べて強度が弱めです。そのため何らかの想定外の力が加わったときに、器具が折れてしまうことがあります。特にMISシステムで使われる器具については、400~500g程度の力までしか耐えることができないため、他のインプラント矯正器具に比べて破損や不具合が生じやすいと言われています。万が一矯正器具が折れてしまった場合には、一度器具を取り除いたうえで再治療を行なう必要があります。

歯を傷つけるときがある

インプラント矯正によって目標の歯が徐々に移動してくると、その歯の根がインプラント器具に当たって傷ついてしまうことがあります。もちろん、歯科医師は歯を傷つけないための計算を行ったうえでインプラント器具を固定させています。しかしながら、歯の移動距離が長い場合には、このリスクを避けられない可能性があることも理解しておかなければなりません。その場合、器具を取り外して改めて別の位置に装着し直す治療が行われることがあります。

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