インプラント治療について、気になる疑問や不安に思っていることなど、遠藤歯科医院の院長である遠藤元気先生に率直に聞いてみました。質問に対して丁寧にお答えいただきましたので、是非参考にしてみてください。
2005年に神奈川歯科大学を卒業し歯科医師となりました。正直、歯科医を目指していた頃に比べて今の方が歯科医は天職だなと思いながら仕事ができています。治療技術を含め、患者さんと向き合い日々努力していることが、振り返って成長に繋がっていると実感できるからです。
43年前に父が今の遠藤歯科医院を開業し、1年前に院長として就任させていただきました。父が大切にしてきた理念を引き継ぎながら、私は患者さんが今抱えている問題の根本解決にこだわっています。銀歯が取れてしまった患者さんの銀歯を詰め直して終わりではなく、銀歯が取れてしまった原因から患者さんへ説明し、根本解決に取り組めるよう促す。従来の歯科にはなかった歯科治療の流れを、これからも作り出していきたいと考えています。
世間一般にはインプラント治療は歯が無くなってしまった場所に歯を補うというイメージが強いと思います。私にとっては、インプラント治療は残っている歯を守るための治療と考えています。
歯を補う方法には入れ歯やブリッジという方法がありますが、どちらも残っている他の歯に少なからずダメージを与え、他の歯も失う方向へと進んでいってしまいます。インプラント治療で歯を適切な位置に補うことで、噛んだときに歯にかかる力を分散できます。インプラント治療は全体的な歯の状態を長く保たせるという意味で、他の治療法と全く違う術式です。
あります。ケースとして、既存骨量が少ないところへ骨を作りインプラントを入れたのですが、当時の判断では外科処置を最小限に骨量を足して手術を行いました。外科処置が最小限な分負担は減るのですが、確認が足らないために後にグラつくなどのトラブルに繋がってしまったことがあります。その場合は新たな治療方法を提案し、追加で必要な分だけ頂いた上でインプラントを再度入れ直させていただきました。
私の医院は保証のルールがシビアなので、ほぼ100%の患者さんがメンテナンスに来られています。カウンセリングの際にインプラントを入れた後の保証面の説明をするのですが、定期的なメンテナンスに来られない方は保証の対象からはずれてしまいます。
そもそも歯や周囲の骨を守っていくために必要なメンテナンスやクリーニングなのに来られないということは、ご自身の歯をないがしろにしていると思われても仕方がありません。どうしても転勤など理由があって来れなくなる患者さんはいらっしゃると思いますが、インプラント治療を受ける場合は、必ず治療後のメンテナンスの部分に行くことを承知の上で決めていただきたいです。
定期メンテナンスを怠ると、骨の下で汚れが溜まったりして口内環境が著しく悪化します。コントロールされていれば問題は起こらないはずですが、炎症が起こってしまうと、インプラントの部分が腫れてきたり、疼いてきたり、歯周病へと発展するリスクが高まります。最悪一度抜いて、インプラントの入れ直しなど再治療が必要になることもありますね。また、噛み合わせのバランスが悪くなってしまうことで他の歯にも影響が出てしまいます。
インプラントに特化している治療院と打ち出しているところもありますが、実際に様々な症例を発表されている先生など、臨床経験の違いでも腕に差があると思います。詳しくはその先生にどんな治療歴があるのか、症例を見てみるのが良いと思います。
歯科医師があるエリアによっても受ける患者さんの層は異なりますね。私の院ではエリアが地方になるため、高齢者や歯を元々失ってしまっている方が来られます。そういった患者さんは最初から歯の状態が普通じゃない場合が多くて、歯が1本だけダメだったとしても、そこにインプラントを入れればOKという単純な話ではなくなります。必ず全部の歯の話をさせてもらって、今の状態に起こりうるリスクについて話すようにしています。
インプラント治療で一度満足した患者さんは、他の歯が割れたり失ってしまった場合も鉄板で2、3本目にもインプラントを入れる方が多いですね。それだけインプラントの良さを患者さんも実感されているんだと思います。
全体の歯の状態を見てインプラントを入れていますので、1本インプラントを入れた状態であれば、噛み合わせも問題なく口内環境がある程度良い状態まで持っていけていることが多いです。その場合は2本目〜3本目と入れる時に、術前の治療は最小限のままインプラントを入れるだけで済みます。
治療によって寿命は変わりますね。インプラントの寿命は患者さんの歯ブラシや、定期的なメンテナンスに来ていただくことも重要ですが、初めのインプラントポジションの設計も寿命を左右する重要なポイントです。患者さんの中でも特に、歯軋りがあったり、変な噛み癖がある方、また歯周病のリスクが高い方はインプラント周囲炎などトラブルのリスクは高くなります。問題なくインプラントが入れば一生ものですが、トラブルが起こる可能性はありますよとカウンセリング時に必ずお伝えはしています。
インプラント治療は入れても取れちゃうとか周囲炎に関する悪い噂もあり、入れ歯の方が良いと言っていた時代もありましたが、あり得ないと思っています。医学的にも80歳までに自分の歯を20本持たせるという健康指標がありますが、ご自身の歯を守る手段としてインプラント治療はとても良い選択肢と考えています。
痛みや手術に対する不安がある方もいらっしゃるかもしれませんが、実際にインプラント治療を受けている患者さんに聞くと、痛いと言われることはほとんどありません。術後のコントロールも大切なので、感染予防の薬を飲んだり、扱いで気をつけていただくべき点をしっかり出来れば、むしろ親知らずを抜く方が痛いなんて言われたりもします。
インプラントをご検討の際は主治医の先生に不安な点は相談しつつ、先ほどお伝えしたアフターケアまで長くお付き合いをするというつもりでぜひ検討してみてください。
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