歯肉退縮のお悩みが改善できる治療方法一覧と、
気になるその費用をチェック!
歯茎が下がってしまっている、痩せてしまっている、いわゆる歯肉退縮が気になる方のために、歯肉再生手術を行っているクリニックもあります。歯肉再生治療にもあらゆる治療法がありますが、保険は効くのでしょうか?一般的な費用の相場は?なかなか聞けない疑問にお答えします!
歯茎が下がったり痩せたりしてしまう「歯肉退縮」のほとんどは、歯周病が原因で引き起こされます。歯垢や歯石などの細菌や、歯ブラシの刺激、その他清掃器具の刺激にも対応できるほどの歯肉が必要ですが、不足している場合には上あごの抵抗力のある歯肉を弱い歯肉部分に移植する手術が行われます。
歯肉移植術としてポピュラーな治療法が「結合組織移植術」です。CTG(connective tissue graft)とも呼ばれている歯肉の治療法[※1]です。歯肉が痩せて薄くなっている場合や、抜歯後にできる陥没がある場合には、この治療法が適応されることが多いです。 上あごの口蓋から結合組織のみを採取して、歯肉が痩せている部分の上皮と骨膜との間に結合組織を移植して歯肉を増やします。歯肉の厚みを増加させられるので、歯磨きで歯肉を傷つけるということも避けられるでしょう。
また、同じく歯肉移植術としてFGG(free gingival graft)[※2]とも呼ばれている「遊離歯肉移植術」もポピュラー。 歯の周囲の歯肉が少ない・薄いような場合、歯ブラシをあてると傷めてしまうことがありますが、そんな環境を変えるための手術法です。上あごの奥歯の内側の歯肉が豊富な部分の歯肉を、歯肉が不足している場所に移植します。移植してから数ヶ月後にはしっかりとした歯肉になり、歯ブラシをする際にも歯肉を傷めることなくインプラントも長持ちします。
[※1]参照元:『歯界展望』2018年4月号 WEB連動企画/Ishiyaku Dent Web※手術動画が含まれるため、閲覧にはご注意ください。
[※2]参照元:再生療法|東村山の歯科医院「みすみデンタルクリニック」
通常の歯周病治療には健康保険が適応されますが、再生治療に関しては健康保険が適応されません。症状によっても歯茎再生の費用は異なりますので、複数のクリニックでカウンセリングを受けてから検討するようにしましょう。 歯茎再生や歯茎再生に関係する治療法の料金費用相場はおおよそ以下の通りです。
上顎の口蓋から組織を採取。これを下がったり痩せたりした歯茎に移植するという手術が結合組織移植術(CTG)です。術後は1~2週間ほどで抜糸。歯茎が定着するまでに2~3ヶ月ほどかかります。 他の手術に比べて、歯茎の定着までの期間が短いというメリットがある反面、遊離歯肉移植術(FGG)等の手術に比べて難度が高いため、どんな歯科医師でも問題なくできる手術ではありません。
上顎の奥歯の内側の歯肉組織を採取し、下がった歯茎、痩せた歯茎に移植するという手術法。CTGとは組織の採取部位が異なります。術後1~2週間で抜糸。抜糸後は2~3ヶ月で歯茎に定着します。 CTGと同じく定着までの期間が短いことがメリット。その反面、歯茎の色調に違和感が出たり、また術後に多少の腫れと痛みが続くことがデメリットとされています。
歯茎に薬剤を塗り、そこにレーザーを照射することで蓄積した歯周病菌を殺菌する治療法。歯周病菌の除去によって、徐々に歯茎の退縮症状が改善し、美しく健康的な歯茎を取り戻すことができます。 光殺菌療法のメリットは、メスを使わないので感染症のリスクがないという点。また治療による腫れ、痛みもほとんどない点もメリットです。一方、レーザーが届かない場所や薬剤が触れていない場所の治療はできない点がデメリットです。
歯茎、および歯肉を支える骨(歯槽骨)まで下がっている場合に行われる手術。骨にメンブレンと呼ばれる人工膜を装着し、骨の再生を促します。手術時間は2時間ほど。骨が再生・定着するまでに4~6ヶ月、治療が完了するまでに6~12ヶ月ほどかかります。 歯槽骨が再生し定着すれば、美しく健康的な歯茎を取り戻すことができます。その反面、感染症のリスクがある点や、歯科医師における高度な技術力が必要な点が、この治療法のデメリットです。
歯茎を切開し、溶解した歯槽骨に豚由来のタンパク質(エムドゲイン)を塗布し、骨の再生を促す治療法。最近では、GTRに代わってエムドゲインが採用される症例が多くなっています。術後10~14日ほどで抜糸し、2~3ヶ月で骨の定着。以後、月に1回程度のメンテナンスが必要です。 骨の再生スピードは非常に早いものの、諸条件をクリアしなければ骨が再生されにくいため、すべての患者に適応する手術ではありません。
歯茎にヒアルロン酸を注入し、減少したコラーゲンの生成を促す治療法です。注入を受けた部位は、次第に歯茎が自然な形へと整っていきます。 大掛かりな手術を必要とせず、注射のみで治療ができるので患者の身体的な負担は軽いと言えます。腫れなどの後遺症もほとんどありません。一方で、注射の効果が半年~1年ほどした持たない点はデメリット。継続的に効果を維持するためには、定期的な施術が必要です。
歯肉を切開し、溶けてしまった歯に付着している原因組織を除去。必要に応じて歯槽骨の形成手術も行なうことで、歯と歯茎の状態を改善させる手術です。手術時間は1時間ほど。歯の形成にどのような治療法を用いるのかによって(インプラント、ブリッジなど)、完治までの期間は大きく異なります。歯周ポケットが除去されて歯周病のリスクが軽減するメリットの反面、知覚過敏や発音障害などのデメリットが生じる可能性があります。
歯茎が下がった部分において、下がった歯肉を引っ張って元の位置に戻す治療法です。自分の歯茎を元の位置に戻す理屈なので、歯茎の色調に違和感なく仕上がります。結合組織移植術(CTG)やGTRと併用されることがあります。 手術部位が一箇所で済むので、患者の身体的負担が少ない点がメリット。一方、重症化した歯肉退縮には適用できない点はデメリットです。
トータルとしては、5~15万円程度が相場と言えるでしょう。しかしひとりひとり症状も違い、自由診療の中で提案される治療も異なりますので、まずは歯茎再生を行っている歯科医に症状を診てもらうようにしましょう。
歯肉再生治療は保険外の診療、いわゆる自由診療と呼ばれる治療です。そのため費用はクリニックにより異なり、場合によっては数万円以上も差が出る場合もあるでしょう。しかし、一番低価格だから、という理由で歯科を即決することは避けましょう。
インプラント治療、歯肉再生治療は、医師の腕によって結果が左右される『手術』です。しかも、人の印象を大きく左右する顔、口元の手術です。インプラント治療や再生治療を行っているクリニックは、国内に数え切れないほど存在しますが、確実な腕をもつ医師はそのうち何%くらいでしょうか。料金が激安のクリニックで歯肉再生治療を受けたところ、手術後の違和感が消えないケースや、陥没してしまうなど審美的に納得のいかない結果となるケースもあります。虫歯の治療とは全く違う高度な技術が必要だからこそ、歯肉再生治療を費用だけ見て決めてしまうことはとても危険なのです。
歯肉再生で最も見るべきは、料金費用ではなく医師の技術力。より安心して任せられる実績・実力のある医師を探すことが何よりも大事。技術に見合った適正価格かどうかをしっかりと確認し、不安点や疑問点を残さないカウンセリングを受け、自分が信頼できるクリニックで治療を受けるようにしましょう。
歯肉退縮の主な原因は歯周病[※3]ですが、厳密に言えば他にもいくつかの原因があります。歯周病も含めて、他の歯肉退縮の原因も見ていきましょう。
[※3]参照元:歯肉退縮|まえだ歯科
歯肉退縮の主な原因は、歯周病菌の繁殖による歯槽骨の溶解です。症状のレベルに差はあれ、日本人の多くが歯周病を持っているとされているため、現状よりも症状が進行しないよう、十分な予防を行なうようにしましょう。 なお、歯周病のもともとの原因は歯垢の蓄積。虫歯の人は歯周病になりにくいという俗説がありますが、虫歯の原因も歯垢の蓄積である以上、俗説を信じずに適切な歯垢除去を行ないましょう。
間違った歯磨きの習慣は、歯肉退縮の主原因となる歯周病を招くことがあります。正しい歯磨きの方法を習慣化することが、歯肉退縮の予防には大事な要素です。 歯磨きの目的は、歯垢を除去すること。どんなに時間をかけて歯磨きをしても、歯垢が除去されない磨き方であれば、それは間違った歯磨きとなります。歯磨きをする際には力を入れ過ぎず、歯と歯茎が重なり合っている部分を中心に磨くようにしましょう。
正常な歯並びにおいては、下の歯はきちんと上に向けて生えています。上の歯はきちんと下に向けて生えています。しかし中には、外側(唇や頬の側)に向けて歯が生えている人や、内側(舌側)に向けて歯が生えている人もいます。これら歯の生え方に問題がある患者のうち、特に外側に向けて歯が生えている人には、歯肉退縮が発症しやすいとされています。 実際、外側に生えている歯を正常位置に矯正した結果、歯肉退縮が改善したという報告もあります。
歯の噛み合わせが悪いと、本来その歯にかかるべき力が別の歯に加算されてしまいます。力が余分に加わった歯においては、その歯を支える歯槽骨が徐々に傷んで溶け始め、やがて歯肉退縮へと進んでいきます。 歯槽骨の溶解から歯肉退縮へと至る点では歯周病と共通していますが、こちらの原因は、悪い噛み合わせによる力の負荷の偏り。歯周病とは区別して理解しておくようにしましょう。
頬や唇などから歯茎に向かって伸びている筋のことを、小帯と言います。部位によって、「舌小帯」「上唇小帯」「頬小帯」などの呼び方があります。 これら小帯が、通常よりもしっかりと付きすぎていると、歯茎は小帯に引っ張られる格好となります。小帯による歯茎への牽引力が継続的に続くと、その力によって徐々に歯茎が下がっていく場合があります。
加齢にともなって歯周病の発症率は上がります。また、加齢にともなって歯茎のコラーゲンの量も減少します。これら加齢を原因とする複合的な理由により、症状に個人差はあるものの、ほとんどの人に歯肉退縮が見られるようになります。 なお、人の歯茎は1年に0.25mmほど下がっていくと言われています。20歳から歯肉退縮が始まったと仮定すれば、還暦を迎えたころには1cmほど歯茎が下がっている計算となります。
以下で紹介する正しい歯磨きを、ぜひ今日から実践していきましょう。
強い力で歯をゴシゴシと磨いても、必ずしも歯垢が効率良く除去されるわけではありません。ペンを持つときと同じ要領で歯ブラシを持てば、自然と歯磨きに適度な力加減になります。
歯垢が多く蓄積しているのは、歯と歯茎の境目のあたり。歯磨きの際には、この境目を狙って細やかに振動させるようにブラッシングしましょう。
歯と歯の間に蓄積している歯垢は、歯磨きでは除去しきれません。歯磨きの後には、できれば毎日、デンタルフロスでケアしましょう。
就寝中は口の中が渇くため、歯周病菌には絶好の環境となります。歯周病菌の増殖を防ぐため、就寝前にも歯を磨くようにしましょう。
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