奥歯のインプラント費用は30~45万円が相場ですが…
奥歯のインプラント治療を受ける前に知っておきたい、費用の相場についてご紹介しています。これまでインプラント治療は保険が適用されない「自由診療」でしたが、平成24年4月からは一部で保険適用もされるようになりました。保険が適用されればさらに安い費用で済みますが、気になる保険適用の条件とは?
一般的に、奥歯のインプラント1本の費用は30~45万円程度が相場[※1]です。しかしインターネットで検索すると、10万円代からのインプラントを提供している医院もたくさん存在します。少しでも安く治療を受けられるのであれば、とそうした格安治療を選んでしまう方も多いと思いますが、安いから、と気軽に治療を受けるのは少し待ってください。そうした医院が相場に比べて費用が異常に安い理由はなんでしょうか。技術力が低かったり、システムのグレードが低かったり、保証がなかったり、安全性や安心面で不安がありませんか。考えていただきたいことは、インプラント治療は完全な『手術(オペ)』であるということ。
自由診療であるインプラントの料金設定は、クリニックの環境や医師の技術力、使っているインプラントシステムなどで変わってきます。インプラントを取り扱うクリニックが増え、技術のない医師が施術を行うことで、歯に不具合が起きたり、わずか数年で抜け落ちて再手術、結果結局高くついてしまった……というケースも増えてきているのが現状。 費用だけでなく、医師の技術、使用される素材、クリニックの環境など、様々な面から比較して信頼できるかどうかを十分判断した上で、最終的な決定をするようにしましょう。
[※1]参照元:インプラント治療 宮川歯科医院
奥歯のインプラント治療の流れ、および費用に関してまとめました。
歯の状態を観察したうえで、噛み合わせ模型の型取りをします。あわせて、インプラントの適切な位置を特定するため、CT撮影を行ないます。
CT撮影の結果に基づき、シミュレーションソフトでインプラントの設計図を作成。インプラントの位置、長さ、本数などの具体的な事項を患者に説明します。同時に、今後の治療の流れ、手術当日の流れ、術後の注意点なども説明します。
手術に際しては、シミュレーションソフトによる設計図を確実に再現するため、患者に専用のマウスピースを装着してもらいます。手術時間は、1本のインプラントであれば約20分程度。麻酔をしているため、手術の痛みはほとんどありません。縫合の必要もない手術なので、患者の身体的な負担は小さいものになります。術後、インプラントの位置や方向を確認するため、レントゲン撮影が行われます。
手術から3~4ヶ月後、インプラントとアゴの骨が結合したことを確認のうえ、被せものの作製に入ります。長期間にわたり奥歯が欠損した状態の場合、アゴの筋肉や噛み合わせが大きく変化している可能性がありますが、その点も考慮の上、微調整しながら被せものの設計をしていきます。
被せものも含めてすべての治療が完了した後でも、歯科医院で定期的にインプラントをクリーニングする必要があります。インプラントと歯茎との間に汚れがたまってしまうと、装置と結合する骨が溶けてしまう恐れがあるからです。
インプラントにかかる費用について、大きく6項目に分けてまとめました。
初診の際に、診察料や検査料などがかかります。主な検査項目は歯式検査、歯周検査、レントゲン検査(CT)、模型作製のための型取り、口腔内写真撮影などです。これら一連の検査費用を、治療費の中に含んでいる医院もあります。診察料・検査料を治療費と別途で支払う場合は、概ね1~3万円が相場になります。
口腔内の環境を最良の状態にして手術を行なうために、必要な患者においては、インプラント前に虫歯や歯周病の治療を行ないます。これらの治療は通常の歯科治療に含まれるため、原則として保険適用となります。
歯科医師の手術に対する技術料、滅菌等の手術環境の整備、麻酔代など、手術に直接関わる様々な費用が手術代に含まれます。医院によって手術代には幅がありますが、概ね20万円が相場と考えてください。
歯根の役割をする土台、および、人工歯と土台を連結する部品をまとめてアバッチメントと言います。アバッチメントの値段は素材によって大きく変わりますが、10万円前後が相場となっています。
インプラントの被せもののことを、上部構造と言います。アバットメントと同様、上部構造も素材によって値段は異なりますが、10万~15万円程度が相場です。
インプラントの治療後は、メンテナンスのために定期的な通院が必要となります。費用の相場は、天然歯の検診も含めて1回8千~1万円程度です。インプラントのメンテナンスに保険は適用されません。
長らくインプラントは保険の適用外の治療でしたが、2012年4月より、いよいよ保険の適用がスタート[※2]しました。保険が適用されるならば差し歯やブリッジではなくインプラントにしたい、と思う方も多いことでしょう。 しかしながら、保険適用でインプラントを受けるには一定の条件があります。希望すれば誰でも保険適用でインプラントを受けられる、というわけではありません。また、条件を満たしたからと言って、最寄の歯科クリニックで保険適用のインプラントを受けられるわけでもありません。 ここでは、インプラントが保険適用となる条件、および保険適用のインプラントを受けられる医療機関の条件について詳しく解説します。
先天性、または事故や病気などによってアゴの骨の1/3以上が欠損している状態の場合は、インプラントが保険適用になる場合があります。事故や病気によるアゴの欠損については、骨移植で再建している人も保険適用となる場合があります。
[※2]参照元:インプラントの保険適用 ストローマンパートナーズ
保険適用でのインプラント治療は、厚労省が示す複数の条件を満たした医療機関においてのみ受けることが可能です。これら条件の中には、病床数が20以上であることや、宿直医・日直医の当直体制があることなども含まれているため、一般的な歯科クリニックは、ほぼ対象外となります。よって保険適用でインプラントを受ける場合には、通常、大学病院や総合病院の歯科・口腔外科などを受診することになります。 保険適用でインプラントを受けられる医療機関の条件は、以下の通りです。
以上のすべてを満たした医療機関においてのみ、保険適用でのインプラント治療を受けることが可能です。
少しでも国民の医療費負担を軽減しようと、国では医療費控除制度を敷いています。年間で支払った医療費が一定以上の場合、確定申告をによって所得控除を受けられる制度です。高額となるインプラントなので、ぜひこの制度を活用しましょう。
医療費控除とは、毎年1月1日から12月31日までに支払った医療費について、確定申告をすることによって所得控除を受け取ることができる制度。年間で、最低10万~最高200万円の医療費控除申告が認められています[※3]。 確定申告をし忘れていた人、または、そのような制度の存在を知らなかった人でも、さかのぼって5年前までの申告が可能です。医療費控除の対象となる可能性があるならば、速やかに税務署へ相談に行きましょう。 なお、医療費控除における「医療費」には、治療代のみならず通院にかかった交通費も含まれます。確定申告に備え、必要な領収書は保管しておくようにしましょう。
[※3]参照元:医療費控除について アイデンタルクリニック
インプラントにもジェネリックがあることをご存じでしたか?ジェネリック(後発医薬品)は、厳しい基準や規制をクリアし、新薬と同じ効果が認められている薬剤ですが、新薬と違って研究開発に時間がかかっていないため、新薬よりも安価で手に入る点が最大のメリットです。インプラントシステムの中には40年近い長い歴史を持つものもありますし、関連パーツに互換性を持つ安価なジェネリックシステムや、オリジナルの弱点を補っているような優秀なジェネリックシステムも存在します。
ジェネリックインプラントは安価での治療が期待できる分、懸念点として挙げられるのが、パーツ供給を安定して行ってくれる安定した企業であるかと言う点。インプラントを入れれば一生の付き合いになる医療技術のため、それを提供する企業にも永続性が求められるのです。
現在、世界中で数えきれないほどのインプラントシステムが存在しています。国内だけでも約30社以上ものインプラントシステムが使用されており、それぞれ特徴が違います。後発であるジェネリックインプラントは中でも低コストが魅力と言えます。ただ安ければ良いというわけではなく、世界的に見ても臨床実績があり、信頼できるインプラントシステムを選ぶことが、トラブルのない手術につながります。また、個々の口内に適した治療法で施術してくれる治療実績が豊富にある医師を探すことも、手術成功の鍵を握っています。
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