インプラントの治療技術は日進月歩。とくに、最も患者さんが不安に思う『インプラントの外科手術』における医療の進歩はめざましく、病状によってはわずか数ミリの穴を開けるだけで、内視鏡やカテーテルを用いた治療も可能となっています。こうした低侵襲手術(手術や検査によって伴う痛み、発熱、出血などをできるだけ少なくする医療)に関連して、「フラップレスオペ」と「静脈内鎮静法」について解説します。
「フラップレスオペ」とは、歯肉の切開剥離なしでインプラントを埋入する手術のことを言います。
切開剥離がないので、メスを入れる箇所を少なくすることができ、痛みや腫れもほとんど感じなくて済みます。傷を最小限しか作らないので、治癒も早い点もうれしいポイントです。
インプラント治療を受けるならぜひともフラップレスオペで治療したいと誰もが思うところですが、フラップレスオペを受けるには、いくつかの条件を満たさなくてはいけません。その中でもとくにこちらの2点は重要な条件です。
・抜歯を行ってから3ヶ月以上が経過しており、インプラントの埋入時に複雑な骨造成を行う必要がないこと。
・歯槽骨の形態や神経の位置を、CTを使用した精密診断で、歯槽骨の量、神経までの距離、歯肉の厚みを3次元的に把握し、十分な骨量と神経までの距離を確保できていること。
そして“切開剥離しない”ということは、歯槽骨を見ずに手術を行うことになります。それはつまり、本来のインプラント手術以上に注意がいり、施術する医師の経験や高度な技術が必要となります。
しかし、それらの条件を満たすことができれば、場合によっては手術がほんの数分で終わり、出血もほとんどなく、縫合すらナシで済むケースもあります。
歯医者さんの治療は何より麻酔が一番苦手と言う方も多いでしょう。あの針が刺さる瞬間の痛みや不快感は、何とも言えないつらさがあります。
しかし、そうした患者さんのストレスを軽減すべく、麻酔も日々進化しています。
表面麻酔で感覚を鈍化させたあとに極細の針で注射したり、術中の恐怖心や痛みをなくすために、笑気麻酔や全身麻酔を用いることもありますが、その中でも「静脈内鎮静法」という麻酔術があります。
「静脈内鎮静法」は、海外ではポピュラーな麻酔法で、向精神薬や痛み止めを直接静脈に注射する方法です。
緊張した状態をリラックスさせる効果があるので、麻酔が効いている間はぼんやりとした意識になります。また健忘効果もあるため、術中のことをほぼ記憶していない状態にできます。時間の感覚もあいまいになり、実際は長時間の手術でも、まるで短時間の手術だったかのように感じさせる効果もあります。
この麻酔法は、外科治療に大きな不安を抱えている方や、手術で緊張状態にある方、また口の中に異物が入ることをどうしても受け付けずに嘔吐してしまう方などにとくに適しています。また、高齢の方の手術の場合でも、静脈内鎮静法は生体モニターや血圧計などで健康状態をきちんと管理した状態で歯科治療を受けることができるので、患者さんも家族も安心できます。
しかし、この静脈内鎮静法だけで手術が完了するわけではなく、術中は患部への局所麻酔が必要となります。また、安全面を考えると、麻酔はやはり専門家である麻酔医が行うことが望ましいでしょう。静脈内鎮静法を検討される場合は、麻酔は麻酔医が行なうかどうかもクリニック選びの重要なポイントになります。
フラップレスオペや静脈内鎮静法など、インプラントや歯科治療のストレスを大幅に減らす医療技術はどんどん発達していっています。あなたが歯科治療に対して抱えている恐怖心やストレスは、もしかするとあっさりと解決できてしまうことかもしれません。また極度の緊張や不安は、歯科治療中の全身状態にも良い影響を与えません。そのため、痛みや不安を我慢するよりも、手術前の治療計画の時点でしっかりと医師にそうした不安や希望を話し、ストレスが少なく安心して治療を受けられる最適な方法を医師と相談しましょう。
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