インプラント周囲炎とは、インプラント治療をした部分の周囲の歯肉が細菌に感染し、炎症が起こる症状です。
インプラント自身は、チタンやセラミックなどの素材でできているため、虫歯になる心配はありませんが、その周辺の歯茎や歯肉は病気になる可能性があるので、ほかの歯と同じようにきちんとケアしないといけません。
インプラント周囲炎は、とても進行が早く、放っておくと取り返しのつかない事態につながってしまいます。
インプラント治療が無事に成功した場合でも、その20%以上の人がインプラント周囲炎を発症しているとも言われていますので、治療後の様子にも気を配らないと本当の成功とは言えないかもしれませんね。
インプラント周囲炎が起こる原因は、通常の歯肉炎などと同じく、歯垢や磨き残しによる汚れなどから発生した細菌に感染することによります。また、インプラントの手術時に細菌が入り込んだ可能性もあります。
そして、ほかの健康な歯とインプラント治療後の歯の周辺には大きな違いがあり、インプラント治療後には特に細菌が感染しやすくなっています。
その違いとは、歯の根元と歯槽骨の間にある歯根膜の有無です。天然の歯と歯槽骨の間には、歯根膜という組織があり、これによって血液に運ばれた栄養が抵抗力を高めてくれています。
しかし、インプラント治療後の歯と歯槽骨の間には歯根膜がなく、抵抗力が弱くなっているため、細菌に感染しやすくなってしまうのです。
インプラント治療後には細菌に感染しやすくなっているため、ほかの歯よりも入念なケアが必要になってきます。特に、歯と歯肉の間には歯周ポケットと呼ばれる溝があり、通常の歯磨きでだけでは完全にきれいにすることはできません。
インプラント周囲炎の予防のためには、ご自分でのケアのほかに、定期的に歯科医の診察を受け、メンテナンスを行う必要があります。
インプラント治療を行った後には、このような症状が起こること、適切なブラッシング方法やメンテナンス方法について指導してくれるような、アフターフォローのしっかりした歯科医を選ぶことも予防になるでしょう。
そして、喫煙を控えたり食生活や生活習慣を見直して、健康的な生活を送ることもインプラント周囲炎の予防に役立ちます。また、歯磨きの際には、歯肉に異常がないか毎回チェックするような習慣をつければ、早期発見につながりやすくなるでしょう。
インプラント周囲炎は、その名の通り、インプラントの治療をした周辺の歯肉に炎症が起こるという症状です。通常の歯肉炎も、歯肉が炎症により赤くなったり腫れあがったりしますが、そのまま放置していると炎症が進み、歯を支えている歯槽骨まで溶かしてしまい、抜歯しなければならなくなります。
インプラント周囲炎も、炎症がひどくなると歯槽骨が溶けてしまい、最終的には支えを失ったインプラントがぐらついて抜け落ちてしまいます。
問題なのは、歯肉炎と比べて、インプラント周囲炎は発見しにくく、進行が早いため、気づいた時には手遅れになってしまう危険性があるということです。
なぜ、発見しにくいのかというと、インプラント周囲炎は歯肉炎と比べて腫れや出血が少なく、痛みも出にくいため症状になかなか気が付かないからです。
さらに、インプラントの周辺には、歯根膜がないので血液による栄養運搬がなされず、炎症も進行しやすくなっています。インプラント周囲炎の進行を食い止めるには、早期の発見が何よりも重要なのです。
症状の進行が早く、予兆に気づきにくいインプラント周囲炎ですが、治療する方法もあります。まず、インプラント周囲炎の初期症状である「インプラント周囲粘膜炎」の時に、症状が出ているのを発見して適切な処置を取ることです。
インプラント周囲粘膜炎ならば、まだ歯茎にのみ炎症が起こっている状態なので、クリニックで歯石を除去したりクリーンな状態にすることで炎症を抑えることができます。
特に痛みや異常がない時でも、鏡で歯肉をチェックする習慣を持つことが早期発見につながるでしょう。
もし、症状が進んで歯周組織にまで炎症が進んでしまった場合には、インプラントの表面の汚れを取るために切開したり、歯周ポケットを切除するような外科的処置が必要になりますので、なるべく簡単な治療法で済むように、早期発見を心がけてください。
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