切らない、痛みがほとんどないインプラントがあった!
インプラントは入れたいけど、痛いのは不安という人も多いでしょう。インプラント手術にはメスで切らない方法や、麻酔を使って恐怖感をやわらげる方法など、さまざまな無痛治療があります。このページではインプラントの無痛治療のくわしい情報や、メリット・デメリットなどを紹介します。
「インプラントは興味あるけど、切開手術は怖い…」とインプラントを躊躇する方もおられるでしょう。
インプラントは通常、メスで歯肉を切って歯肉を剥離させ、そこにインプラントを埋め込む手術が一般的です。しかし、患者の不安やカラダの負担を軽減するための「切らない手術」という方法があるのをご存じですか?
切らないインプラント治療を「フラップレス術」と言います。フラップレスとは「無切開、無剥離」という意味。手術前にCT撮影とコンピュータシュミレーションを行うことで、正しい位置に正確にインプラントを埋め込むための手術用テンプレート(マウスピースのようなもの)をあらかじめ作成することで、歯肉を切ることなくインプラント手術をする方法です。
体につける傷が少ないため、手術中や術後の腫れや痛み、出血がほとんどないことから「無痛治療」と呼ばれています。手術時間も短縮でき、通院回数も少ないなどメリットが数多くあります。
ただし、インプラントを埋めこむ場所のまわりに歯肉が十分ついていることや、重い全身疾患がないかなどの条件が必須のため、インプラントの無痛治療は誰でも受けられるわけではありません。また、インプラントの無痛治療は十分な経験と実績を積んだ歯科医であることや、CTやシミュレーションなどが行える設備が整ったクリニックでしか扱えませんので、各クリニックに問いあわせるといいでしょう。
フラップレス手術とは、メスを使わずにインプラントを埋入する術式のこと。
一般にインプラントは、患部の歯肉をメスで切開したうえでインプラント体を埋入させますが、フラップレス手術では「歯肉パンチ」と呼ばれる特殊な器具を使い、歯肉に小さな穴を開けます。この小さな穴からインプラント体を埋入していく術式のため、縫合の必要はありません。患者の体への侵襲も少なく、身体に優しい手術だとされています。
切開法に比べ、手術中の出血量が大幅に減少。術後の腫れや痛みも軽減します。
また、1回の手術でインプラントの上部構造(仮歯)を装着できる点も、切開法に勝る大きなメリットと言えるでしょう。
誰でも受けられるわけではない点が、フラップレス手術のデメリットです。たとえば、顎の骨が十分にない方は、フラップレス手術が適用されません。また、口腔衛生状態が良好ではない方や、開口障害のある方は、フラップレス手術の適応外となります。
医師が骨を視認せずに行なう治療のため、事前のCT検査やコンピュータシミュレーションは必須。よって、十分な設備の整っていない歯科医院では、フラップレス手術を受けることができません。
インプラントで使用される主要な麻酔は、局所麻酔です。ただし近年では、患者の身体的な痛みだけではなく、治療に対する恐怖心も排除する目的で、さまざまな麻酔が使用され始めています。
以下、インプラントで用いられる主要な4種類の麻酔について解説します。
虫歯の治療と同様に、注射器で手術部位に麻酔薬を注入する方法。麻酔が完全に効いてから手術を行えば、身体的な痛みをほぼ排除することができます。近年では、薬剤の注入時の痛みも最小限に抑えるため、極細の注射針を使用しているクリニックもあります。
インプラント治療を含め、他のすべての歯科治療において最もポピュラーな麻酔法。よって、大半の歯科医師が局所麻酔に習熟しています。リスクが低い麻酔術と考えて良いでしょう。
極細針の使用に加えて、表面麻酔を施すことで、麻酔薬の注入時の痛みもほぼ無痛にするクリニックもあります。
手術中の意識がクリアなことが、局所麻酔の最大のデメリット。ドリルの音や振動、医師の声など、手術中の臨場感を体感しながら最後まで手術を受けることになります。
手術に対する恐怖心が強い方は、意識を混濁させる麻酔術も併用したほうが良いでしょう。
笑気ガスという気体を鼻から吸引することにより、意識を朦朧とさせる麻酔。意識が完全になくなるわけではありませんが、いわゆる「ボーっとした状態」となるため、手術に対する恐怖心は大幅に低下します。
麻酔効果の持続時間は5~10分程度。痛みを軽減させる作用はほとんどないため、局所麻酔と併用されます。
手術への恐怖心を大きく緩和させられる点が、笑気麻酔の大きなメリットです。 また、吸引する気体(亜酸化窒素)は、呼吸器や循環器などの機能に影響を与えることがない点もメリットでしょう。
意識が失われるわけではないので、中には、笑気麻酔を受けても完全に恐怖心を取り除くことができない方もいるでしょう。
何より、痛みの鎮静効果はほとんど期待できないため、別の麻酔法を併用しなければならない点もデメリット。それぞれの麻酔に費用が加算されることを了承してください。
静脈内鎮静法は、点滴を通じて静脈内に鎮痛剤・鎮静剤を投与する麻酔術のこと。治療が終わるまで、麻酔医が全身管理を行いながら薬剤を投与し続けます。
笑気麻酔よりも強い抗不安効果があることが特徴。健忘効果もあるため、手術があっという間に終わった、という感覚になる方も少なくありません。
手術中の痛みや恐怖心の大半を排除できる点が、静脈内鎮静法の大きなメリットです。手術中の意識が完全に失われるわけではありませんが、ほとんどの方において、肉体的・精神的な抵抗のない状態で手術を受けられます。
全身疾患のある方や治療範囲が広い方などには、特に適した麻酔術です。
インプラント治療費とは別に、麻酔代が5~10万円ほどかかることが一般的。また、すべての歯科医院が対応している麻酔術ではないため、事前にクリニックの麻酔法を調べておく必要があります。
なお、手術当日は、眠気やふらつきを感じることが多いので、自動車の運転や機械の操作等は原則禁止となります。
点滴で薬剤を注入することで、手術中の痛みはもちろん、意識も完全に消失させてしまう麻酔法。インプラント治療で全身麻酔が利用される例は極めて少なめですが、希望する方は、大学病院の口腔外科等で全身麻酔下のインプラントを受けることも可能です。
他の麻酔法とは異なり、手術中の意識が完全に失われます。よって、手術に対する恐怖心を一切感じない点が、全身麻酔のメリットです。
全身麻酔下では呼吸が停止するため、術中、鼻からチューブを通して呼吸管理をする必要があります。その点、他の麻酔法に比べれば、ややリスクが高いと言えるでしょう。
また全身麻酔を受けた当日は、原則として1泊の入院が必要です。時間的な余裕が必要な麻酔であることを理解しておきましょう。麻酔代も高額となります。
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