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インプラントは治療から20年もつのか?

知っておきたいインプラントの基礎知識

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インプラントは治療から20年もつのか?歯の画像

歯科インプラントは長期にわたり機能するということは、多くの調査結果があります。有名な逸話では、近代的な歯科インプラントを開発したブローネマルク博士の話があります。

1965年に歯科インプラント最初の患者として治療を受けた34歳の男性は、75歳で死去するまでの41年間、埋入されたインプラントは問題なく機能していたというのです。もちろん、インプラントの経過は個人差もありますし、全身状態によっても変化します。

今回は、一般的な指標として、20年という長期使用でインプラントはどうなっているのか、そして、どのようにすれば長期使用ができるのかについて、考えていきたいと思います。

インプラント治療で20年以上経過したアンケート調査

インプラントに関するアンケートは多くありますが、20年以上経過した状況でのアンケートはあまり見られません。そのなかで、九州インプラント研究会が2015年におこなった「20年以上経過したインプラント患者のアンケート調査」は、貴重な資料だと言えるでしょう。以下にその結果を記載します。

このことから、インプラント治療を行った部分を含む口腔内のケアをしっかりと行うことで、20年後もインプラントを使用できる可能性があることがわかります。

20年後のインプラントの状況

アンケートでは40代から90代までの509人が回答しています。まず、現在のインプラントの状況については、77.57%が「特に問題ない」と回答。そのほか、「歯茎が腫れるなどのトラブルがある」人が8.44%一部のインプラントを除去した人」が11.11%、「全部のインプラントを除去した」人が2.88%でした。

インプラントを除去した約14%(68名)の人のなかで、再度インプラント治療を実施した人は約33%でした。また、インプラント以外の天然歯の状況については、「何も問題ない」人が68%(316名)、1歯でも失った人は20%(96名)でした。これをインプラントの経過と比較すると、インプラントのトラブルがある人は、天然歯のトラブルも増加していることがわかります。つまりどちらも口腔内環境が悪化していることに起因する可能性が考えられるでしょう。

  1. 調査人数:509名(男性:148名、女性:361名)
  2. アンケート調査票送付総数:1,168名(アンケート回答率44%)

※出典:J-STAGE/日本口腔インプラント学会誌 31 (2) 170-179, 2018.(https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsoi/31/2/31_170/_pdf/-char/ja)

インプラントの長期間使用で機能維持が困難になる原因

上記のようにインプラント治療では、20年後でも約78%の人が問題なく機能しているとのアンケート結果でした。しかし、一方では機能しなくなる人も20%程度いることになります。その原因とはどのようなことが考えられるのでしょうか。

高齢によりケアが困難になる

長期間経過したインプラント患者さんで大きな問題となるのは、高齢によるケアの困難です。毎日の歯磨きを怠らずに実行することがインプラントのみならず、お口全体の健康には非常に重要です。しかし、高齢になれば、自立して生活できない方も増加して、お口のケアもあまりできないことになってしまいます。また、外出も困難になる場合もあり、歯科クリニックでの定期検診も難しくなるでしょう。ケア不足により口腔内環境が悪化をしても適切な治療を受けられない場合、歯周病菌によるインプラント周囲炎などを発症してインプラントが機能しなくなる可能性は高くなります。

全身疾患による機能維持不良

高齢化に伴い、もう一つ懸念されることが、全身の健康状態です。お口の中の状態と全身の健康状態は密接にかかわっていますので、どちらかが悪くなれば、影響をおよぼすことになります。例えば、糖尿病が加齢により悪化してしまった場合、天然歯では歯周病、インプラントでは同じ症状であるインプラント周囲炎のリスクを高めます。これは、糖尿病により免疫が低下したり、組織の修復力が低下したりするためです。そのほかの高齢化により増加する全身疾患も、お口の中の状態を悪くする要因となりますので、インプラントの機能に影響を与えると考えられます。

長期間インプラントを維持するための注意事項

将来を見据えてケアの充実を

インプラントの機能を維持するためには、特にケアが大切です。しかし、前述のように高齢により、ケアが難しくなったらどうすればよいのでしょうか。
現在では介護施設でも口腔内ケアを積極的におこなっているところが多いです。デイケアや訪問介護などでも、そのようなところを選ぶようにすればケアもしてくれます。また、定期検診では、現在訪問歯科診療も多く行われていますので、利用を検討しましょう。

健康状態に気を配る

インプラント治療を受けた年齢が高かった場合、20年経つと健康状態にも変化が生じます。人によっては要介護や入院などによってセルフケアが難しい状態になってしまうかもしれません。

まずは、自分でケアを継続するためにも、口腔内のケアだけではなく、全身の健康状態にも気を配りましょう。規則正しい生活やバランスの良い食生活を心がけることも大切です。

持病の悪化に注意

糖尿病などの全身疾患の持病がある人は、悪化させないことが重要です。それは全身の健康維持のためでもあり、お口の健康のためでもあるのです。

まとめ

ご紹介してきたように、インプラントは20年以上経過しても、8割近い人が問題なく使用できているとのアンケート結果もあります。そうなるためにも、セルフケア、定期検診の維持を心がけ、全身の健康に留意する必要があります。高齢になってもそれらの環境を維持する環境づくりをしておきましょう。

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