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インプラント治療について古川智基先生にインタビュー

知っておきたいインプラントの基礎知識

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今回協力してくれたのはこの先生歯の画像

和光市デンタルオフィス インプラント・矯正ステーション 古川 智基 先生

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和光市デンタルオフィス インプラント・矯正ステーションの院長である古川 智基先生にインプラント治療や患者さんのことについて率直に聞いてみました。いろいろ質問に対して丁寧にお答えいただきましたので、是非参考にしてみてください。

古川 智基先生について

古川先生のご経歴を教えてください。

2013年に九州歯科大学を卒業し、愛知学院大学附属病院総合診療部で研修医修了、その後、愛知県・静岡県の開業医でインプラント・矯正の技術を含む全般的な歯科分野を学びました。2020年に和光市デンタルオフィス インプラント・矯正ステーションを開院し、院長を務めています。
当院は保険診療を基本として矯正歯科やインプラントにも力を入れており、件数としては年間200〜300本ほど実施しています。

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患者さんについて

インプラントを検討される方は、どのような症状やきっかけで来院されるのでしょうか?

当院で治療をおこなう患者さんに関しては、8割は虫歯や歯周病などをきっかけに治療を開始され、抜歯後に失った歯を補う手段としてインプラント手術を受けられる方が多いです。
インプラントは何らかの事情で歯を失った方に実施する治療ですが、理由のほとんどが虫歯や歯周病の進行です。来院時には相当ぐらついており、抜くしかない状況の方や、歯の根っこが割れてしまい、抜歯となる方がいます。

他の選択肢としてブリッジと入れ歯がありますが、心理的にも、機能面でも若い方で入れ歯を選ぶ方はほとんどいません。一方ブリッジは、保険内で実施できるものの健康な歯を削るデメリットがあります。
インプラントは自費診療かつ初期費用が大きい治療ではありますが、長く使え、機能的にも天然歯と違和感が少ないので長期的な視点で見ればインプラント治療は「経済的であり、その費用の価値はある」と考える人が増えてはきています。

最近は和光市における当院の評判を耳にして、中には初診時からインプラント治療を希望して来院する方、近隣の歯科医院でのインプラント治療に対するセカンドオピニオンでいらっしゃる患者さんも多いですね

手術後によくあるトラブルや、患者さんが不満を持ちやすいことはありますか?

治療中には、腫れた、痛いというトラブルはよくあります。外科手術なのである程度の腫れや痛みは仕方がないのですが、医師が標準だと思う症状と、患者さんの想定が一致しない場合に不安や不満の原因となることが多いです。

体質の影響も大きいので、手術してみないとどの程度の症状が出るかわかりません。どの程度痛みが出るかや腫れるのかを予測し、お約束することはできないので、ご契約の前にカウンセリングなどでしっかり説明をし、治療に対する期待度と腫れや痛みに対する理解にズレが出ないように準備をしておくことが重要だと考えています。

また、体質の他に患者さんの悪習慣が治療に影響することもあります。たとえば喫煙者は治りが悪く、痛みも出やすいです。手術後は飲酒を控え、激しい運動は避けるなど注意点がありますが、指示に従わないこともトラブルになります。
患者さん自身に協力姿勢があるかどうかも非常に大事なポイントだと思います。

インプラントに限らず、歯科で患者さんとトラブルになる理由のほとんどは、説明不足、コミュニケーション不足だと思っています。
当院ではインプラント治療だけではなく、保険診療からインプラント・矯正治療まで「丁寧なカウンセリング」と、「分かりやすい説明」を大事にしております。

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歯科医のインプラント事情について

歯科医師の中に、ご自身のインプラント治療も積極的にされる方はいるのでしょうか?理由も教えてください。

歯科医師でも歯を失った部分にインプラント治療を受けている人はいます。歯科医師だとしてもどんなにケアをしても、体質によって虫歯になりやすい人はいますし、不幸なことに歯ぎしりが原因で歯が割れてしまって抜くケースもあります。
ただ使用感、審美面、長い目で見て口全体の健康を考えるとインプラントが現在の歯科医学の中ではベストな治療法であることは揺るがない事実なので、ほとんどのドクターが自分の歯を失うことになれば、インプラントを迷わず選択すると思います。

全身の病気でインプラントができなかったり、年配の方などは他の治療法を選ぶこともありますが、インプラントを選択できる状況でわざわざインプラントを避ける理由はないでしょう。

先生ご自身がインプラント治療を受けることになったら、どのようにクリニックを選びますか?

私の場合、診断は自分で可能なため、当院に勤務している医師に頼む可能性が高いです。インプラントの手術は症例数が増えてリスクを抑えられるようになっています。正確性を高める方法として、事前に3Dでシミュレーションをおこなうガイドシステムという方法があります。歯にマウスピース状の物を取り付けて手術をおこなうため、狙った位置に確実にインプラントを埋め込むことが可能です。

インプラント手術がうまくいく前提として、正しい診断が不可欠です。プロではない患者さんがクリニックを選ぶ場合も、担当した医師がCTや模型などを用いてしっかり検査・診断をおこなってくれるか、そしてその説明が丁寧でかつ分かりやすいかどうか、を重視することをおすすめします。

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どれくらいの手術件数を経験すれば一人前、などのラインはありますか?

何本以上経験があれば一人前だと決めることは難しいです。インプラント手術と一言で言っても、前歯、奥歯など位置によって手順や注意点、難易度が異なります。たとえば同じ条件で100本おこなうのと、10パターンを10本おこなうのとでは後者のほうが経験があると言えますよね。
一人前を「多くのパターンの治療をおこなえるレベル」と定義するなら、本数だけでなく様々なケースに対応できることを評価するべきでしょう。

私の一人前の基準は
・動脈などの血管、神経を避け安全を第一に手術できる
・ネジおよび被せ物のポジションまで長期的な視点で無理なく設計が立てられている
・歯肉・骨が不足した部分に歯肉移植・骨造成ができる
・インプラントのメンテナンスまで対応することができる
の4点です。

どのインプラント治療でも動脈、神経を避けて安全に治療できる技術は絶対に必要です。最近は歯周病で歯槽骨が溶けてしまったケースに対して、人工の骨を作る骨造成をおこなう頻度も多いですから、併せて歯肉移植・骨造成の技術も求められます。

また、インプラントはチタン製の軸を入れた後に被せ物を付けるわけですが、被せ物がきちんと入るか、噛み合わせのトラブルが後から出てこないかなども配慮し、全体の設計をした上で治療をできることも大事ですね。

またインプラント周囲炎にならないようしっかりとアフターケアが責任を持って行えることも決して忘れてはいけない基準かと思います。

最後に

インプラントを検討されている方に何かアドバイスがあればお願いします。

インプラントは外科手術であること、「初期費用が大きい」自費診療の上、患者さんが入手できる情報は限られていることから、治療に不安を感じる方も少なくないでしょう。しかし、適切な診察をおこなえば、リスクは最小限にでき、治療後の生活にもメリットは大きいです。「信じてインプラント治療に踏み切ってよかった」と思えるような歯科医院との出会いを願っております。

インプラント手術は治療期間が長いですし、治療後もメンテナンスなどで長くお付き合いが続きますので、何でも相談・質問できる、信頼できる歯科医院、そして歯科医師を探してみてください。

Special Thanks【古川 智基 先生】

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勤務先

経歴

  • 九州歯科大学歯学部

免許・資格

  • 臨床研修指導医
  • 国際口腔インプラント学会 認定医
  • 矯正医育成スタディグループTODセンター所属

問合わせ先

  • 048-423-9637
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