
インプラントを受けた後は、年に2~3回ほどの頻度で、歯科医院に行って専門的なメンテナンスを受ける必要があります。当然、メンテナンスは有償で受ける形となりますが、残念ながらメンテナンス料金に健康保険は適用となりません。ここでは、インプラントのメンテナンスにおける健康保険の考え方、およびメンテナンス費用の相場などについて解説します。
ご存知のとおり、インプラント治療自体に健康保険は適用となりません。歯科医院が自由に料金を設定できる「自由診療」の一種です。インプラント治療自体が「自由診療」だからこそ、その延長上にある定期メンテナンスもまた「自由診療」。よって、メンテナンスに健康保険は適用となりません。「インプラント自体を保険診療にすべきだ」との議論は広く行われていますが、現状、インプラントや、それに付随するメンテナンスが保険診療になる見通しは立っていません。
メンテナンスの費用相場、および、メンテナンスで利用できる医療費控除制度について確認しておきましょう。
インプラントのメンテナンス費用の相場は、1回あたり3,000~5,000円です。中には1回あたり10,000円ほどの歯科医院もありますが、多くは3,000~5,000円と考えてください。
ただし歯科医院ごとのメンテナンス費用を比較するときには、単純に1回あたりの料金を比べるのではなく、メンテナンスの中身も比べることが大事。同じ1回5,000円でも、インプラント1本で5,000円とする歯科医院もあれば、インプラント3本で5,000円とする歯科医院もあるからです。また料金が高めの歯科医院では、メンテナンスごとにフッ素の塗布を行うなど、ケアが手厚いことがあることも理解しておきましょう。
メンテナンス費用に健康保険が適用となることはありませんが、いわゆる医療費控除制度の対象になることは覚えておいてください。
医療費控除制度とは、簡単に言えば「たくさん払った医療費の一部が戻ってくる」という制度。年間で10万円以上の医療費を払った場合、確定申告を行うことで、納付済みの所得税の一部が銀行口座へと返金されるシステムです。
「年間で10万円を超える医療費」と聞くと、「ウチは対象にならない」と思う方もいるかもしれません。しかしながら、ここに言う10万円とは、個人ではなく世帯が支払った医療費のこと。本人や配偶者、子供、扶養の両親など、同じ世帯に属する人が年間で支払った医療費の総額、医療費控除の対象となります。通院に要したバス代や電車代なども、この医療費に加算して良いこととなっています。
そのように考えると、医療費控除を申請することで所得税が還付される世帯は、意外に多いかもしれません。少なくともインプラントを受けたその年度は、間違いなく医療費控除の対象となるでしょう。
治療後、10年間でかかるメンテナンス費用の合計額を見てみましょう。
インプラントのメンテナンスにかかる費用は、10年分を合計すると60,000~150,000円ほどです。年に2回、1回3,000円でメンテナンスを受ければ10年間で60,000円、年に3回、1回5,000円でメンテナンスを受ければ10年間で150,000円となります。「3,000円も5,000円も、あまり変わりない」と感じた方もいるかもしれませんが、10年間という長期的なスパンで比較した場合、合計費用には大きな差が生まれることを理解しておいたほうが良いでしょう。
インプラントのメンテナンスに、終わりはありません。インプラントを使い続ける以上、常に定期メンテナンスを受ける必要があります。ちなみにインプラントの寿命は、20年とも30年とも言われるほどの長さ。メンテナンスを受けつつ適切なセルフケアを行っている限り、その寿命は半永久的とも言う専門家もいます。
よってインプラントを受ける際には、受けた後の長期的なメンテナンス費用も考えておくべきでしょう。もとよりインプラントを受ける歯科医院を選択する際、長期的なメンテナンス費用の大小も比較基準としておいたほうが良いかもしれません。
インプラントのメンテナンス費用に健康保険は適用されません。ただし、医療費控除制度は適用となります。
先に説明したとおり、医療費控除制度の対象となる医療費とは、世帯全体が支払った金額の合計。インプラントのメンテナンス費用だけで年間10万円を超えることはありませんが、世帯全体が支払う医療費が10万円を超えることは、決して珍しいことではありません。保険が適用されないインプラントのメンテナンスだからこそ、少しでも費用を節約するために、活用できる制度を積極的に活用していきたいものです。
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