ぐらつきの状況から、どの程度の揺れがあるのか確認が必要です。具体的に、歯が横に動く、歯が上下に動く、グラグラしていた歯の周りの歯も揺れてきた、以前よりも歯が伸びてきたように見えるなどがあります。実際に揺れを感じるレベルになった場合には症状がかなり進行した状態ですので注意が必要です。
「横に動く」のは歯周病で歯の周りの骨が溶けてきているため、歯を支える力が弱くなっていることが考えられます。また、食いしばり等の過度な負荷によって歯が緩んでいることもあります。歯が割れてガタついていることもあるため、違和感や痛みがあるようであれば極力その歯を使用しないようにしてすぐに歯科医院で診てもらいましょう。
「上下に動く」、「歯が伸びてきたように見える」場合は重度の歯周病が考えられるため、最悪抜歯の可能性もあります。ぐらつきが気になる方は放っておかず、早めに歯科医院へ相談に行くことをお勧めします。
まずレントゲン写真撮影で歯の周囲の骨の状態を検査します。次に歯の周囲の歯ぐきが腫れたり、緩んできたりしていないかを検査します。これには歯と歯ぐきの間の「歯周ポケット」と呼ばれる溝の深さを調べたり、歯を揺らして揺れの大きさを確認したりします。この他に、歯のすり減りや詰め物の状態を確認したり、噛み合わせをチェックしたりします。
歯周病で歯の周りの骨が溶けてしまうと、元通りの高さまで戻ることはできません。歯周病は比較的ゆっくりと進行していくものや、急激に進行するものもありますので、歯のぐらつきが気になったら早めに歯科医院の受診をお勧めします。
歯をぶつけた場合は、極力早期に歯科または口腔外科を受診し、適切な処置を受けることが大切です。放っておいた場合、歯の周りの骨が溶けたり、歯の根っこが溶けて短くなったりしてぐらつきがひどくなることがあります。歯の外傷の多くは上あごの前歯ですが、怪我だけではなく自身の噛む力により奥歯に負担がかかり、ぐらつきの原因になることもあります。
歯ぎしり・噛みしめにより虫歯や歯周病で傷んでいるわけではないのに、ぐらつきや痛みがあることがあります。これらは無意識にしていることが多く、本人も他人も気が付かず発見が遅れることがあります。
歯のぐらつきを放っておくと、気が付かないうちに噛み合わせが悪くなっていってしまいます。あごの力を支える奥歯がぐらぐらして十分に支えられなくなると、噛み合わせが低くなってきてしまい、今度は前歯に力がかかってくるため、たくさんの歯のぐらつきを生じてきてしまいます。
片側の歯がぐらつくため反対側の歯でばかり食事をしていたりすると、肩や首の痛みや偏頭痛の原因になることがあります。ぐらつきがひどくなり、十分に噛まないで食べ物を飲み込むようにしていると、胃や腸に負担がかかり消化不良を起こしやすくなったり、肥満の原因になったりする場合があります。
糖尿病を患っている方は、歯周病と糖尿病が一緒に悪くなっていくことが解っているため、お医者さんに通いながら歯科医院も受診していただき、両方の疾患を悪くしないように気を付けていくことが大切です。
歯がぐらつくことにより、食事がおいしく食べられない、うまく話せないといったことが起こり、日常生活にも支障が出ます。
また、歯が動いて歯並びがガタガタになったり歯が抜けてしまうことで容姿に自信が持てなり、人と会うことを避けたり家に引きこもってしまうといった精神的な影響を及ぼすこともあります。
歯がぐらつく原因には様々な原因があります。それらの原因別に適切に対処することで歯を長持ちさせることができることがありますので参考にしていただけたらと思います。
歯周病は歯を失う理由として最も多い割合を占めます。歯の周りにある骨が溶けて歯を支える力が弱くなり、歯のぐらつきを生じる病気です。
歯周病の恐ろしいところは「自覚症状が出た時点でかなり病状が進行している」ことにあります。痛みがなくとも歯のぐらつきを感じるような場合は歯を支える歯槽骨が本来の半分以下まで溶けてしまっている可能性があります。
歯をぶつけてしまった、噛み合わせの不具合などにより歯や周りの組織が損傷を起こすことです。歯と骨は「歯根膜」という繊維でつながっています。歯根膜は歯の根の周りに存在する0.2~0.4㎜程度の厚さの繊維で、これが過度な負担がかかることにより繊維が緩み、歯がぐらついてしまいます。
眠っている間の無意識のものやストレスによるもので、歯を強くこすり合わせる、噛みしめることで歯の周りの組織に負担がかかりぐらつきを生じることがあります。 歯は木に刺さったクギと似たようなもので、縦の力には非常に強いですが、横からの力がかかるとクギが緩むように、すぐに緩んでしまいます。
検査で歯周病の進行具合を調べます。歯の周りの骨があまり溶けていない場合、歯のぐらつきがない場合がありますが、歯の周りの汚れや歯石を除去し、プラークの付着する足場を作らないことが大切です。
歯の周りの骨が溶け始めてぐらつきを生じてきている場合は、クリーニングに加えて揺れている歯を樹脂や金属の修復物で固定したり、噛み合わせによって歯が揺らされている場合は強く接触している個所を削ったりして、均等な噛み合わせの調整を行います。それでも改善がみられない場合は、手術をして歯の周りの炎症性の組織を取り除く場合もあります。
少しでも自分で気付く症状がある場合は、指や舌でむやみに歯を動かさないようにしましょう。違和感程度であれば、しっかり歯磨きをしていけば炎症が改善していく場合もありますが、基本的に原因を調べ除去する必要があるため、一度歯科医院を受診し診てもらうのが安心だと思います。歯がグラグラと横に動くような場合は歯周病が進んでしまっている可能性があるので、すぐに歯科医院への受診をお勧めします。
基本的に一度ぐらついた歯は完全に揺れが止まることはないため、骨の喪失があまりに大きく、改善が認められない場合には抜歯してインプラント等の治療が必要になります。歯周病は誰もが逃れられない病気で、進行を食い止めることはできても元に戻すことはできないため、早期発見、早期治療が必要です。
歯をぶつけて揺れている場合、なるべく受傷してから早期に揺れていない歯と固定し、歯の周りの組織の安静化を図ることが大切です。強く噛み合っている個所は当たりを弱くするように削って調整をすることもあります。1ヶ月ほど経過し、歯の周りの炎症が和らいできたら固定を外して、経過をみていきます。
特定の歯が強く当たっている、または歯の本数が足りずに過重負担になっている場合には噛み合わせの調整だけでなく、歯全体の噛み合わせの治療が必要になることもあります。歯の本数が足りない場合には負担を軽減させるために入れ歯やインプラントを入れることが必要です。
ご自身が家族や知人から歯ぎしりを指摘された場合、ストレスや癖で奥歯を噛みしめていることを自覚している場合は歯科医院への受診をお勧めします。
また、歯のぐらつきに加え、「自覚はないが朝起きたら顎や歯が痛い」、「歯の詰め物をしたのに何度も取れてしまう」といった場合もこれらが関係していることがあります。このような場合、歯を直接接触させないようにマウスピースを作成し、歯や周りの組織を保護していく必要があります。
これらの治療をもってしても、歯の周りの組織の損傷が著しい場合は歯を抜かなければなりません。しかし、抜歯後には適切な時期に欠損した場所を補わないと、噛み合わせが崩れてさらに他の歯のぐらつきを招くことがあります。歯を1本でも喪失した時点でお口の崩壊は始まっているのです。
失った歯を補う上で有用な治療の1つに、インプラント治療があります。「歯を大きく削るブリッジに抵抗がある」、「入れ歯を作ったがどうしても馴染めず困っている」といった方にお勧めです。
また、顎の骨でしっかりと力を支えることができ、周囲の歯に負担をかけないため他の歯のぐらつきを予防することができます。インプラント治療が適応できるかは、健康状態、あごの骨の状態、周りの歯の状態などの総合的な確認が必要になります。
外傷などの不可抗力によるものは防ぐことはできませんが、歯周病に関しては日々のケアがとても大切です。可能な限り食後に歯磨きをしっかり行い、プラークが付いたままにしないことが大切です。糸ようじや歯間ブラシを補助として使用するのも良いでしょう。
また、歯科医院を定期的に受診して診察を受けることがとても大切です。自分では磨けていたつもりでも、歯の間や歯茎の隙間に汚れが残っていたり、レントゲン写真で思ったよりも歯周病で骨が下がっていたりと発見することができるからです。
歯ぎしりや噛みしめは無意識にしていることが多いため気づきにくいので、歯科医院で歯のすり減りや歯茎のゆるみなどをチェックしてもらうことが大切です。先ほど挙げたマウスピースも有用な手段でしょう。
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