30代は徐々に歯や体の健康や機能が衰え始める年代ともいわれています。
30代になると、10代や20代の頃に比べて、どうしても体の機能は低下しやすくなりがちです。虫歯や歯周病といった歯の病気は、歴とした虫歯菌や歯周病菌による感染症です。その為、体の機能や免疫力が低下している人では、虫歯や歯周病などの病気のリスクも高くなってしまいます。
30代でインプラント(人工歯の埋め込み治療)を1本でもしている人の割合はほとんど0%に近いそうです。
しかし何らかの方法で、失った歯を歯科治療で補っている人の割合は、およそ8%と言われており、30代全体の1割近い人が様々な理由で歯を失っているようです。 尚、基本的に、歯列矯正や美容整形を目的として、インプラント治療を受けている人はこの割合に含まれていない為、実際の30代のインプラント装着者は決して少なくないと考えられます。
歯科分野におけるインプラントとは、失われた歯の代替物として、歯の土台となるあごの骨に埋め込まれる人工歯根(インプラント体)や、そこへ人工的に作った歯を装着する治療を意味することが一般的です。
基本的にインプラントは、土台となる人工歯根、上に付けられる人工歯(上部構造)、人工歯根と人工歯の連結部分となる支台部(アバットメント)の3つのパーツに分けられます。しかし、人工歯が直接に人工歯根へ取り付けられるものや、インプラントとアバットメントが一体のものも存在し、そのタイプは様々です。
現在の日本国内では、インプラントの材料として、医療用のチタンやチタン合金を使われることが一般的です。ただし、海外メーカーによってはさらに金属アレルギーを起こしにくいとされる、ジルコニア製のインプラントなども販売されており、どのインプラントを使用するかは医師や歯科クリニックによって異なります。また、人工歯の材料としては、レジン(プラスチック)やセラミック(陶器)、セラミックとレジンのハイブリッド、金合金などが使われます。
インプラント治療には、クリニックや治療の内容によって差があるものの、基本的に共通する流れを理解しておくことは重要です。
最初に必ず問診と、レントゲンや歯科用CTを使った検査によって、インプラントがそもそも埋め込み可能かどうかが判断されます。インプラントは人工歯根をあごの骨に埋め込むという特性上、どうしても土台となる骨に十分な厚みや強度が備わっていることが前提になります。その為、歯周病による損傷や、生まれつきの体質によってあごの骨が手術に不足している場合、一般的にはまずあごの骨の再生・移植治療を行わなければなりません。
あごの骨に問題がある場合、先にそれを治療が行えるレベルまで回復させる必要があります。加えて、骨を失う原因が歯周病などであった場合、同時に病気の徹底治療が必須です。骨の治療には、人によって数ヶ月以上を要することもあり、その期間はインプラント手術も行えない為、部分入れ歯や差し歯による治療が並行して行われることも少なくありません。
インプラントの埋め込み手術は、麻酔を用いた状態で行われます。また、埋め込んだインプラントに対して、改めて人工歯の装着も行われます。手術の時間や回数、インプラント埋め込みから人工歯装着までの期間などは、患者の条件やクリニックによって変わるので、事前にきちんと確認しておくようにしましょう。
インプラントは、完全に固定されれば自分の歯と同様に扱えて、取り外す必要もありません。しかし、やはり人工物を埋め込んでいる為、定期的なメンテナンスや状態確認は必要です。また、歯磨きなど日常のケアも重要です。オーラルケアを怠ってしまうと、インプラントでも虫歯のように劣化したり、または歯周病によって新たな被害が生まれたりという可能性もあります。
インプラントの費用は自由診療であり、使用される種類や、治療法の違いで、いっそ同じ内容でも、歯科クリニックによって値段が変わることは珍しくありません。
30代でインプラントが必要になるケースとは、美容整形や歯列矯正などあえて歯を入れ替える場合を除けば、原則的に何らかの理由で歯を失ってしまった場合といえます。
虫歯や歯周病が悪化すれば、30代でも歯を失う可能性は充分にあり得ます。特に歯周病は、日本人が歯を失う原因の1つとしてあげられる危険な病気です。
インプラントの費用は自由診療であり、使用される種類や、治療法の違いで、いっそ同じ内容でも、歯科クリニックによって値段が変わることは珍しくありません。
[※2]参照元:特定非営利活動法人日本臨床歯周病学会
交通事故や運動中のケガなど、外部からのダメージで歯が失われるリスクは、誰にでもあります。
歯ぎしりや噛み合わせの不具合によって、歯が欠けたり、割れたりというダメージが蓄積された結果、歯を失うこともあります。多忙な日々でストレスがたまると、歯ぎしりなどの症状が現れることもあり、心身の健康が歯の健康に直結していることを忘れてはいけません。
たとえ1本でも歯が失われた状態を放置すると、歯並びが悪くなったり、背骨が歪んだり、さらには歯周病にかかりやすくなるなど、全身に様々な悪影響を及ぼすリスクも高まります。また、歯の欠損を隠そうとして、口を開けて笑えなくなったり、他人と食事へ行けなくなったりと、精神的なストレスを抱える人も少なくありません。
手術に耐えられる体力がある内にインプラント治療を受けられることは大きなメリットです。また、一部の入れ歯やブリッジとは異なり、インプラントでは他の歯を削る必要がなく、健康な歯をそのままの状態で残しておけるという点はメリットです。
歯がないという状態を速やかに改善して、外見的にも機能的にも正常な状態を取り戻すことは、精神的な安定を取り戻す上でとても大きなポイントです。
インプラントではしばしば高額な費用がかかりますが、働き盛りの人だからこそ、仕事でお金を稼いで取り戻すという目標も立てやすくなるでしょう。
インプラントの費用は歯科クリニックによって異なり、必ずしも高額な治療が優れているとは限りませんし、安価な治療が危険だとも限りません。とはいえ、あまりにも高すぎる、安すぎる治療については、それが本当に適切かどうか冷静に判断する必要があります。
インプラントの手術では、専門設備の充実度や医師の技量が極めて重大な要素です。もしも不衛生な環境下や技術のない医師の下で手術を受けると、治療が失敗するだけでなく、無事だった他の歯を失うリスクも0ではありません。
人によっては、インプラントの治療に長い期間が必要になることもあるでしょう。治療期間の長さや、治療完了までの対処法などについて、最初にきちんと納得しておくことが肝要です。
人工歯根そのものは半永久的に機能が維持されたとしても、人工歯には寿命があります。メーカーや歯科クリニックによって長期保証制度を設けていることもありますが、それでも30代の頃にインプラント治療を受けた場合、高齢になってから交換・再手術が必要になるかも知れない可能性はあります。
入れ歯とインプラントではメリット・デメリットが異なるので、どちらが自分の現状に適しているのか検討することが大切です。
入れ歯は基本的に、歯や骨を削ったり、事前準備に長い時間を要したりということがありません。費用面でも、種類によっては健康保険が適用されることもあり、インプラントと比較するとコストを抑えられやすいでしょう。一方、入れ歯は日常的に取り外して洗浄したり、定期的に医師に調整してもらったりという、メンテナンスが欠かせません。また、どうしても使い心地に違和感を感じたり、他人から気付かれてしまう不安もあったりと、ストレス面での問題もあります。この他、あごや顔の形が変わってしまうと、改めて入れ歯を作り直す必要もあります。
入れ歯と比べた場合、インプラントは使用感や審美性に優れているといえるでしょう。加えて、特に総入れ歯と比べた場合、歯茎やあごの表面が露出しているので、食事の際も温度や触感などをちゃんと楽しめるというメリットもあります。しかし一方で、手術のリスクや、本数に比例して費用が増大するといったデメリットもあり、事前に細部まで内容を把握しておくことが絶対的に重要です。
歯や体の健康にとって転換期ともいえる30代では、歯の病気や思わぬアクシデントによって、歯を失うリスクも色々と増えてきます。
しかし、失われた歯をそのままにしていては、さらに厄介なトラブルを招く可能性が急上昇します。その為、歯を失った際は早急に、インプラントなどの専門治療によって歯の機能を取り戻し、健康的な生活を安定させることが大切です。
インプラントの費用は自由診療であり、使用される種類や、治療法の違いで、いっそ同じ内容でも、歯科クリニックによって値段が変わることは珍しくありません。
[※3]参照元:厚生労働省「平成28年歯科疾患実態調査」【xlsのDL】
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